恩賜の軍刀
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恩賜の軍刀(おんしのぐんとう)とは、1945年以前の日本において、陸軍士官学校、陸軍大学校、海軍大学校の首席卒業生に天皇より授与される軍刀のこと。
刀身自体は皇室御物の小烏丸や元帥刀と同じ造りであり、またかなり細身で事実上実戦は考慮されておらず、あくまで栄誉としての儀礼的なものだった。海軍兵学校においては、恩賜の短剣が授与された。
同刀を授与されることは、将来的栄達を保証されることと見なされる。そのことから、いわゆる「恩賜組」という言葉ができた。しかし、成績優等生であっても、嘗ての賊軍であった東北諸藩の出身者の場合、授与は見合わされ、海外留学の機会に置き換えられたことがあったという見方もある。