戦争概論
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『戦争概論』(Summary of the Art of War)は軍人、兵学者であったアントワーヌ=アンリ・ジョミニ(Antoine Henri Jomini)の著書である。
カール・フォン・クラウゼヴィッツの『戦争論』と並ぶ軍事論の古典的名著として知られる。この中でジョミニは、特に地形的要素や、幾何学的要素の重要性を説いた。これは、現代における戦闘シミュレーションの理論的な根拠のひとつとなっている。
ジョミニは戦争における勝利の法則を探求した。勝利のためには、最も重要な箇所へ最適なタイミングで主力を投入すべしとしている。
内容がフリードリヒ大王の影響を強く受けているとされるため、ジョミニは、18世紀の思想から脱却できていないという批判を受けることになる。 マハンの海軍戦略等、西ヨーロッパ、アメリカの戦略思想に多大な影響を与える。
- 日本語訳:佐藤徳太郎訳「戦争概論」中公文庫 ISBN 412203955X