摂津電気自動車
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摂津電気自動車(せっつでんきじどうしゃ)は、昭和初期に阪神電気鉄道が無軌道自動車線(トロリーバス)の敷設を目的に設立した会社の名称である。
[編集] 設立経緯
もともと、甲陽園のある地域は1920年に神戸線を開業した阪神急行電鉄(阪急)のテリトリーであったが、阪神電気鉄道がそれに切り込むべく計画したのが、この摂津電気自動車であったといわれる。
計画区間は香櫨園駅を起点に苦楽園までであり、1922年に免許を申請した。
[編集] 阪神急行の対抗
しかし、阪神急行電鉄としてはこのような動きは容認できるはずもなく、急遽対策として、1922年12月に神戸線夙川駅から分岐して甲陽園駅に至るまでの甲陽線軌道敷設免許を申請、1924年に開業させた。
[編集] 計画挫折とその後
だが、摂津軌道自動車の計画の方は進展することなく、1931年6月に同社は解散して、このトロリーバス計画は消滅した。
その後、1950年には阪神電鉄バスにより、甲陽園一帯をラケット状に経由する路線バスの西宮山手線が開設されている。同線は2006年から阪神バスの運営となった。