新川 (愛知県名古屋市)
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新川 | |
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延長 | 27 km |
水源の標高 | -- m |
平均流量 | -- m³/s |
流域面積 | -- km² |
水源 | 地蔵川・洗堰合流点 |
河口 | 伊勢湾(愛知県) |
流域 | 名古屋市、清須市、甚目寺町、大治町 |
新川(しんかわ)は、愛知県名古屋市、清須市、甚目寺町、大治町を流れる川である。江戸時代に開削された人工河川で、それまで庄内川に流れ込んでいた複数の川の水を名古屋西部からそらし、増水時には、洗堰を通じて庄内川の水を迂回させる目的で作られた。一級河川庄内川水系。
目次 |
[編集] 流路
地蔵川と洗堰の合流点から下流が新川である。名古屋市北区から、清須市、甚目寺町、大治町を通って名古屋市中川区で河口となる。基本的に庄内川の西側に沿って流れており、中流の豊公橋付近・河口付近では隣り合っている。所々で屈曲している自然河川の庄内川とは対照的に、人工河川である新川はほぼ直線で河口まで通じている。途中で合瀬川(木津用水)、五条川等の多数の小河川を集めている。
上流・下流部は住宅地帯、中流には工場地帯も点在している。
[編集] 歴史
江戸時代のこの地帯は、庄内川に一気に中小河川の水が流れ込み洪水の常習地で、名古屋の城下町はたびたび被害を受けた。これらの中小河川の水が庄内川に集まりすぎるのを防ぐために、運河として掘削されたのが新川である。幕府から援助を受け、尾張藩と地元農民が協力して完成したといわれる。
[編集] 主な改良点
- それまでの五条川と庄内川の合流する洪水多発地点(豊公橋付近)を改良し、新川に五条川の水を流れさせた。
- 地蔵川の水を新川に流れるようにした。
- 庄内川で溢れそうな水を、同時に掘削した洗堰により新川に流れるようにした。
- 同時に合瀬川等を掘削し、竹林を切り開き多くの新田を開発した。
新川の掘削により名古屋の洪水は減った。だがこの川ができると今度は新川沿いの村々が洪水の被害を受ける事も多かった。
[編集] その後の流域
昭和初期に新川・庄内川の堤防は改修され、洪水は減少した。しかし戦後の急速な市街地化により、雨水は全て新川に流れるようになり、集中豪雨の度に洪水を起こすようになった。2000年9月には東海豪雨により堤防が決壊し、名古屋市北区・旧新川町・旧西枇杷島町・旧清洲町が被害を受けた。現在、許容水量の増加の為、堤防を改修中である。 また、市街化を防ぐためにわざわざ駅の設置を見送った経緯の有る中小田井駅-西春駅間に平田橋駅(現上小田井駅)を開設して東海豪雨の際の被害を拡大させてしまった。
[編集] 環境
遊水池を兼ねた水田地帯だったこの流域も、戦前から名古屋近郊であり、東海道本線や名古屋鉄道等の交通路に恵まれた事もあり、紡績工場や織機工場・染色工場などの繊維工業が発達し、高度成長期には住宅地帯にもなっていった。そのため工業廃水や生活廃水が新川に流れるようになり、一時は相当汚染されていた。しかし、最近では下水道の整備により、汚染も少しずつ減っていて、上流には鮎も戻ってきている。 しかし、元々名古屋の旧市街地を守る遊水池である為、東海豪雨や伊勢湾台風等の大規模水害では必ず浸水する地域である。