明方ハム
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明方ハム(みょうがたはむ)は、岐阜県郡上市八幡町旭1486-1にある、JAめぐみのの経営するめぐみの農業共同組合食肉加工事業所の通称であり、この事業所で生産されているハムである。
[編集] 明方ハムの特徴
国産豚肉100%使用し、添加物や保存料を極力使用していないプレスハムである。現在は焼豚も製造している。
[編集] 歴史
1953年(昭和28年)、畜産振興と山間地の食改善を目的として、岐阜県郡上郡奥明方村(後の明方村→明宝村、現郡上市)の奥明方農協加工所で明方ハムの名で生産開始。主に郡上郡八幡町(現郡上市)で販売。
1980年(昭和55年)、NHKの明るい農村で紹介された事より全国に名が知られる。
1986年(昭和61年)、郡上農協(当時)は事業拡大の為、就業人口の多い郡上郡八幡町への工場移設を決定する。これに対し明方村は反対し、第3セクター方式での工場を計画する(後の明宝ハム)。
1988年(昭和63年)、郡上農協による新工場完成。明方ハムとして生産。
2003年(平成15年)、岐阜県中濃地域の農協合併によりJAめぐみのが母体となる。
[編集] 明方ハムと明宝ハムの違い
現在、明方ハムと明宝ハム(めいほうはむ)の両方が存在する。歴史でもわかるように、元々は同じ物であった。農協(現JAめぐみの)が中心となって展開したのが、めぐみの農業共同組合食肉加工事業所が製造する明方ハムであり、明方村(後の明宝村、現郡上市)が中心となって展開したのが、明宝特産物加工株式会社が製造する明宝ハムである。
明宝ハムは全国的に展開されているが、明方ハムは殆どが岐阜県内でしか流通しないという。明方ハムは希少価値をつけるためにあえて生産数を制限していた。上述のNHKの明るい農村で紹介された時も、番組の演出(やらせ)でなかなか販路が広がらないような紹介をされていたが、実際には各地の販売店から引く手あまたの状態であった。そのため郡上郡(現郡上市)外では、希望小売価格の数百円増しのプレミア価格で販売されていた。このように人気がありながら、あえて増産を控える農協の方針に対する地元民の不満も、後に明宝ハムが誕生する遠因となった。