有爪動物
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有爪動物門 Onychophora | ||||||
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有爪動物(ゆうそうどうぶつ・Onychophora)は、動物の一つで、有爪動物門という分類群を形成する。
現生の動物ではカギムシ綱(Onychophora)だけしかなく、南半球の森の落ち葉の下に棲んでいるカギムシ類くらいしか知られていない。
[編集] 特徴
全身がビロード状の柔らかい皮膚に覆われる。頭部には1対の触角があり、下面には口があって、その側面に1対の付属肢がある。
頭部以降の胴体には、対を成す付属肢が並ぶ。付属肢は円錐形に突出し、先端には鈎爪がある。腹部末端に肛門がある。
発見当初はナメクジの1種として記載された。
熱帯多雨林の地表や朽ち木の中などに生息する。肉食性で、小型の昆虫等を捕食する。
[編集] 系統
触角や付属肢の配置等は節足動物のそれにほぼ一致する。体内の構造にも体節制を感じさせるものがある。しかし、見掛け上は体節が存在せず、付属肢も関節が無い。節足動物に似た点が多いことから、側節足動物という群にまとめられることがある。
環形動物の多毛類にも似ているが、付属肢が疣足状であることの他は、一致する点が少ない。かつては節足動物が環形動物から進化したと考えられたため、この両者をつなぐ位置にあるものと考えられたこともある。
バージェス動物群の一つであるハルキゲニア(Hallucigenia)は、この有爪動物門に属するものと考えられる。バージェス頁岩だけでなく、中国などのカンブリア紀の地層からも類似の動物化石が見つかっている。節足動物と類縁の原始的な動物門と考えられている。
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