松井久子
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松井久子(まついひさこ、1946年 - )は、日本の女性映画監督、映画プロデューサー。早稲田大学文学部演劇科を卒業。雑誌のフリーライターを経て、1985年、39歳でTV番組制作会社エッセン・コミュニケーションズを設立。TV番組の制作などを経て、1993年から映画のプロデュースにも進出。1993年の「シーズ・レイン」を皮切りに、1996年には、「薔薇ホテル」、「菜の花配達便」を手がける。その後、映画監督に転進。
1998年、吉目木晴彦の芥川賞受賞(1993年)の小説『寂寥郊野』を原作に、新藤兼人が脚本を担当した、戦争花嫁として国際結婚をしてアメリカ合衆国ルイジアナ州バトンルージュに在住、晩年にアルツハイマー症を発症した日本人女性を描いた「ユキエ」で監督デビューした。このようなテーマのものとしては、1973年の有吉佐和子の原作を映画化した「恍惚の人」以来で、しかも中年女性のそれを女性監督の目で撮ったということで、さらに注目を集めた。
第二作も、やはりアルツハイマー症の女性高齢者とそれを介護する嫁の実話、小菅もと子の手記『忘れても、しあわせ』(日本評論社)を基にした2001年の「折り梅」で、福祉や高齢者、介護、家族といった現代的な問題に関心をもつ監督という評価を受けている。
第三作は、「レオニー」(仮題)と発表されている。