氷河急行
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氷河急行(ひょうがきゅうこう Glacier Express)はスイスの鉄道において、マッターホルンゴッタルド鉄道(MGB)とレーティッシュ鉄道(RhB)の2つの私鉄会社がツェルマットとサンモリッツの間で運行している観光列車である。
日本では氷河特急と紹介されることも増えているが、「急行」とはいうものの沿線は急曲線やラック式鉄道など高速運転の支障になるものばかりであり、全線の表定速度は30km/h程度でしかない。
フルカ峠付近で「氷河」が見えたことからこの名がついたが、現在ではトンネルで越えるようになったため車窓に望むことは出来ない。氷河自体も、地球温暖化の影響でほとんどなくなっていると言われている。
車両は展望性をよくした3方ガラス張りとなっている。食堂車も複数両連結されていて、そこでは勾配区間に対応させるため斜めになったワイングラスが用いられており(実際には普通のグラスでも毀れるほど車両が傾くことはないが)、土産品にもなっている。
なお、1982年に新フルカトンネルが完成する以前の旧ルートについては上記の理由で景観を惜しむ声が多かったことから、1992年以降夏季に限りフルカ蒸気山岳鉄道(DFB)として復活運行が行われている。当初は廃止区間の一部であったが、2000年夏には旧フルカトンネルを抜けてローヌ氷河に近いグレッチュ(Gletsch)まで達した。2008年にはオーバーヴァルトまでの旧線全区間が復活する予定である。こちらの方が真の「氷河急行」といえるかもしれない。
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