江凱型フリゲート
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江凱型フリゲート(ジャンカイがた)は、中国人民解放軍海軍が江衛型フリゲートおよび江滬型フリゲートの後継艦として開発した次世代汎用フリゲートである。江衛型はNATOコードネームであり、中国側の形式名称は054型。
[編集] 概要
江凱型は傾斜船体、レーダー電波吸収材などを導入し船体のステルス性がかなり強化されている。
対艦兵器にはYJ-83対艦巡航ミサイル、対空兵器にはHQ-7対空ミサイル、対潜兵器にはYU-7対潜魚雷が使用される。そのほか、100mm主砲一門、CIWS AK-630x4基が装備されている。また、艦尾にはヘリコプターデッキが備えられ、ロシア製のカーモフKa-28や中国製Z-9Cなどを1機搭載できる。
江凱型は現在2隻、525 馬鞍山、526 温州が建造され、東海艦隊に配備されている。また、中国はより改良を施した江凱型を2隻建造中である。この改良を施された江凱型は054A型と呼ばれ、対空ミサイルがVLSに改められる、CIWSがAK-630から730型に変更されるなどの改良がされている。
本型の船体設計はフランスのラファイエット級フリゲートと非常に似ておりそれと比較されることが多い。
2006年12月21日には、沖縄本島北西約400kmの海上を526 温州が航行しているのを海上自衛隊機が確認している。江凱型が日本近海で確認されたのはこれが初めてである。
[編集] ラファイエット級との比較
054型は外見、サイズ、配置においてはフランスのラファイエット級と非常に似ている。
以下はいくつかの顕著な例:
- 推進器:
- 054型: CODAD config with 2x SEMT Pielstick 21,000 hp + 2x MTU 8,840 hp
- ラファイエット級: CODAD config with 4x SEMT Pielstick 21,000 hp
- レーダー:
- 054型: Type 363S, based on Thomson-CSF DRBV-15 Sea Tiger Radar
- ラファイエット級: Thales (Thomson-CSF) DRBV-15C Sea Tiger Mk2
- 火器管制システム:
- 054型: Type 345, based on Thomson-CSF Castor II
- ラファイエット級: Thales (Thomson-CSF) Castor 2J
- 戦闘管理システム:
- 054型: ZKJ-4B/6, developed from Thomson-CSF TAVITAC
- ラファイエット級: Thales (Thomson-CSF) TACITAC 2000 (Successor to TAVITAC)
- 主砲:
- 054型: Type 210 100mm gun based on French Creusot-Loire T100C
- ラファイエット級: DCN 100mm TR
- 艦対空ミサイル:
- 054型: HQ-7 SAM, based on Sea Crotale SAM
- ラファイエット級: Crotale VT1
中国は1980年代にフランスから多数の兵器システムを輸入し、それらのライセンス生産権を入手している。今日054型に使われている多くのシステムは80年代にラファイエット級に装備されていたものである。最新型のラファイエット級の装備と比較することによりフランスはこれらの装備をより新型のものにアップグレートしたことがわかる、従って中国人民解放軍海軍の054型の兵器システムはフランス海軍のそれより一世代遅れていることになる。 しかし、中国人民軍海軍が兵器システムを最新型のものにアップグレートした可能性もないわけではない。