泥炭
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泥炭(でいたん)は、泥状の炭。ピート(peat)とも呼ばれる。
主に低気温地域の沼地で、植物遺骸が十分分解されずに堆積して形成される。熱帯地域でも木質遺骸による泥炭が形成されることもある。石炭の成長過程にあるもので、品質が悪いため日本では工業用燃料としての需要は少ないが、戦争末期に貴重な燃料として使われた。また、ウイスキーに使用する大麦麦芽を乾燥させる燃料として香り付けを兼ねて使用される。このほか、繊維質を保ち、保水性や通気性に富むので、園芸では腐植土として培養土に混入し土質を改善させるためによく使用される。酸性であるので、アルカリ土壌を好む植物に使用する場合は石灰などで中和する必要があるが、逆にアルカリ土壌を中和させるために使われることもある。またこれをプレスして播種、育苗用の植木鉢としたものもあり、時間がたつと土と同化するので植物を抜かずにそのまま植え替えることができる。
泥炭はわずかな荷重で圧縮するため、泥炭地は地盤として非常に軟弱である。建築のみならず道路などの敷設においても問題とされ十分な基礎工事が必要となる。
近年は火力発電のエネルギー源として主に北欧などで大規模に利用されている。たとえばフィンランド一国の泥炭埋蔵量は北海油田の埋蔵量の2倍に匹敵し[1]、泥炭発電は同国のエネルギー消費の7%を賄っている[2]。
一方で、東南アジアでは泥炭火災が広く発生し、二酸化炭素排出と資源浪費の面から問題となっている。
[編集] 参考文献
- ^ "The leading supplier of peat"、VAPO社(英語)
- ^ "再生エネルギーと泥炭"、フィンランド通産省(英語)