流砂
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流砂(りゅうさ)とは、水分を含んだもろい地盤、又はそこに重みや圧力がかかって崩壊する現象である。砂・泥・粘土などの粒子が地下の湧水などによって水分が飽和状態になることにより形成される。流砂は圧力がかかって崩壊するまでは、一見普通の地面のように見えている。
流砂には、多くの映画で見られるほどの危険性はない。なぜなら、流砂の比重はかなり高く人間が浮くことができるからである。また、多くの流砂が深さ1m程度なので、完全に表面下に沈んでしまうことは少ない。さらに深い場合でも、ある程度の上に押し上げる力があるため慎重に動けば脱出することが可能である。通常は、流砂に飲み込まれることよりも流砂の中で立ち往生する危険性のほうが高い。立ち往生すると、飢餓や洪水などの災害に巻き込まれる危険がある。
流砂は川岸や沼地、又は海岸の近くで見ることができる。また、地震などによって地下水に圧力が加わったりした場合に起こることもあり、建物などを飲み込むこともある。液状化現象も参照。
流砂が危険なことでよく知られている場所のひとつに、イギリスのモアカム湾がある。広くて浅いこの湾では、潮の流れが速いため、流砂に飲まれた人は潮の流れに飲まれる危険性もある。