温泉郷
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
温泉郷(おんせんきょう・おんせんごう)は、一定の範囲内に集まっている温泉の総称である。範囲の取り方については明確な規定もなく、また温泉郷を名乗る上での明確な規定も無い。
目次 |
[編集] 概要
温泉郷は、観光ガイドなどで用いられる表現であった。石川理夫の著書温泉法則によれば、江戸時代には温泉郷という表現は用いられずに箱根七湯、別府八湯の様に名数での表現が主流であり、1918年に田山花袋が出版した『温泉めぐり』において、塩原を温泉郷と評したのが最初に用いられた事例であるとしている。その後第二次大戦前の鉄道省が出版した『温泉案内』において、温泉郷という表現が多用されるようになり、表現が定着していった。また戦後は複数の温泉地を国民保養温泉地に指定する際に用いられる表現としても用いられ、国民保養温泉地指定の際の「温泉郷」表記利用の最初のケースは、1957年(昭和32年)9月27日指定の熊野本宮温泉郷(湯の峰温泉、川湯温泉、渡瀬温泉)である。
温泉郷の表記が多くなるにつれ、観光宣伝のために自ら温泉郷を名乗る温泉地が登場するようになる。知名度が高くない温泉地が、知名度の高い地名を借りる目的で名乗る場合などがある。行政区分内の温泉地の宣伝の公平性のために、地元観光協会が市町村名を冠した温泉郷を宣伝で用いる場合もある。更に、「温泉郷」という言葉の響きの良さから既存の温泉地も宣伝の際に敢えて温泉郷を名乗る事も多い。
複数の温泉地の集合の場合、温泉郷を名乗る場合が大半だが、箱根温泉、別府温泉のように温泉郷を用いない場合がある。(但し、箱根温泉郷、別府温泉郷という表現が全く用いられないわけではない)。
[編集] 温泉郷と範囲
温泉郷の範囲の起因と温泉郷名ついて、代表例を記す。
[編集] 山に由来した範囲
[編集] 川に由来した範囲
以下2つは、川沿いの峡谷にあることから「温泉峡」を名乗る