王様ゲーム
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王様ゲーム(おうさまゲーム)はパーティーゲームの一種。ランダムに決まった「王様」が出した命令(罰ゲーム)を、これまたランダムに決まった参加者が行うという、ギャンブル性を持ったレクリエーションである。
平成期の日本では大学生の合コンなどで密めやかに行われる遊びと認識されているが、小中高生が修学旅行等のイベントで行うゲームとしても定番である。
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[編集] まず、用意されるもの
- 参加者
- 通常、5~10人程度である。参加者は「男性・女性」「先輩・後輩」「若い人・最近物覚えが悪くなった人」など、立場や発想・目的の違う2~3集団に別れていると盛り上がる。
- くじ
- 割り箸などの一方の端に、特定のルールに基づいて文字等を書き込んだものである。籤の数は参加者数と等しく、うち1つには「王様」もしくはそれとわかる印がつけられ、残りの籤には1から始まる連番の数字が書き込まれている。籤を配布する際には当然ながら文字が見えないようにしなければならない。
- 酒
- 王様ゲームでは、参加者のノリが重要である。全くのらない人物が一人でもいるとそれだけで失敗してしまう非常にシビアなゲームである。なお参加者に未成年者が含まれる場合は、酒とは別に清涼飲料水を準備しておく。
- 肴
[編集] ゲームの進行、その魅力
典型的な形式では、以下の手順の繰り返しでゲームが進行される。
- 参加者が各自、籤を引く。
- 全参加者の「王様だ~れだ?」などの掛け声にあわせ、王様籤を引いたものが名乗り出る。
- 王様は「○番が○で○○をする」「○番と○番が○○をする」などの「命令」を出す。
- 指名された者は「○番だ~れだ?」の掛け声にあわせ名乗り出て、命令内容を実行する。
- 籤を回収する。
この仕組みでは命令の対象者が誰になるかが全く分からないため、王様の想定とまるで違う人物に当たってしまうことも日常茶飯事である。このため、マジメな子が変なモノマネをしたりするなど、ギャンブル的な面白さが魅力である。
ある回の王様が次回も王様になる確率は低いため、あまり盛り上げすぎると自分に災禍が降りかかってきたりもする。しかし、前の王様にされた仕打ちを返してやろうと図った命令は、大抵の場合無実の別人を巻き込んでしまう。
[編集] 典型的な罰ゲーム
王様ゲームにおける「命令」は、しばしば「罰ゲーム」と呼称される。
以下に、対象者に与える「罰」のタイプで分類した代表的な罰ゲームを挙げる。
- なんとなく恥ずかしいもの
- 「尻文字」「3回廻ってワン」など。これらは普通の罰ゲームとして使うと白けるだけだが、誰に当たるか分からない王様ゲームでは「まさかあの人が!!」という意外な組み合わせになる可能性があるため、序盤には意外と有効である。
- 苦労・苦痛
- 「腕立て○回」「デコピン」など。万人分け隔てなく有効な罰ゲームだが、デコピン対象者がブリブリな女の子だったりすると、執行者の指にかける力はどうしても弱くなってしまうのが実情である。しかし、王様の命令なのだからいくら女の子とはいえ平等に、同じ強さでデコピンしなければならない。
- 金銭・損害
- 「今日の割り勘2人分担当」「ケータイ水没」など。被害が甚大な割にイマイチ盛り上がり度が低い傾向がある。
- 接吻系
- 「ポッキーゲーム」「ベロチュー」など。当然同性同士で当たった場合のショックは大きいが、盛り上げるためにはどうしても必要なプロセスである。
- 性的なもの
- このゲームの存在事由。「脱ぐ」「見せる」などの裸系、「舐める」「揉む」などの行為系に大別される。女性参加者を中心にこの手の罰ゲームには敏感な者が多いため、王様はしばしば「じゃあ、3秒でいいや」「脱ぐのは一枚でいいよ」などの党内調整作業に追われる。
[編集] やってはいけないこと
[編集] 王様
- 時間のかかる命令を出す:「コンビニに行ってエロ本とコンドームを買ってくる」など
- 命令の対象者で奇を衒う:「参加者全員が○○をする」「ひがっちと室塚さんが○○をする」「○番がオレに○○をする」など
- 最初からキツい命令を出す
[編集] 参加者
- 命令から逃げる: 王様の命令は絶対である。この原則が守られないのならば、王様ゲームはもはや成立しない。そんなものは庶民のゲームである。