田中ビネー知能検査
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
田中ビネー式知能検査(たなかビネーしきちのうけんさ)とは、心理学者の田中寛一によって、1947年に出版された日本のビネー式知能検査の一種。1954年、1970年、1987年と改定され、現行のものは2005年に田中ビネー知能検査Vとして出版された。
1987年版までは、ビネー式の特徴である精神年齢と生活年齢の比によってあらわされる本来の定義による知能指数(比率IQ)を算出するようになっていたが、田中ビネー知能検査Vでは、14歳以上の被験者には精神年齢を算出せず、もっぱら偏差値知能指数だけを求めるようになっている。14歳未満の児童にも必要に応じ偏差値IQが出せるようになっているが、採点マニュアルを参照すると、偏差値IQは比率IQより、きつめに数値が出るようである。これは、早くから実務者の間で、田中ビネーはウェクスラーテストより10程度高い数値が出るといわれていたことを裏書するものとなっている。また14歳以上では結晶性、流動性、記憶、論理推理の4分野についてそれぞれ偏差値IQを出すことができる。