異物挿入
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異物挿入(いぶつそうにゅう)は、膣、肛門、尿道に何かを入れる性行為の総称である。SMのカテゴリーに分類されることもある。
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[編集] 概要
もともとキリスト教圏では性行為は神聖なものであり、快楽のための自慰や性交は認められていなかった。もちろん生殖にかかわらない肛門性愛は論外であり、同性愛や肛門性愛は禁忌として処罰の対象となった。そのため膣にはペニス以外を入れてはならない、という文化的、宗教的概念が形成された。
日本においてはそうした文化背景は薄かったが、生理的に膣に異物を入れることは避けられていた。そうした行為は遊女、すなわち性を売る女性の行為であり一般の女性がすることではないと認知されていた。
近年に入り性意識も変化したが、宗教的意義は薄れたが衛生的、道徳的観念から膣にペニス以外を挿入することは禁忌とされていた。そうした禁忌に対しフェティシズムを感じる者や、年少時の「お医者さんごっこ」に代表される第二次性徴以前の性的好奇心の暴走などにより、異物挿入が行なわれている。
また、女性の膣はもともと出産のためにかなり伸びるように出来ているため、性経験を積んだ女性、もしくは出産後の女性は膣がゆるくなって快感が得にくいという俗説がある(実際には個人差があり一概にそうとは言えない)。そうした女性に対し(侮蔑的な意味も含め)異物挿入を行なうことがある。こうした概念により、SMプレイにおいてはマゾヒストを侮辱する行為として異物挿入を行なう向きもある。
もちろん女性も同様であるが、男性は女性よりも性行為として挿入される側に回るという概念に乏しいため、肛門への挿入は大きな背徳、屈辱を感じる。
[編集] 異物の種類
基本的には男性器以外のすべてを指す。
- 指
- 食品
- きゅうり、茄子など細長い野菜が一般的。またソーセージもその形状からよくモチーフにされる。卵もストリップショーなどでは好まれる(花電車)。実際に一般人が食品を使用して自慰行為、性行為を行なうかどうかは定かではなく、ショー的な要素が強い。変わったところでは、膣に食品を入れて「味付け」して食べるという行為もある。(女体盛りを参照)
- SMショーの浣腸用には牛乳が用いられることが多い。色が見栄えする、肛門の粘膜を傷めないという理由からである。こんにゃくをちぎったものや玉こんにゃくを入れることもある。
- 鞭などの柄
- SMプレイなどで行なわれる。スパンキングラケットなど柄のあるもの全般が用いられ、責めとして定着している。
- 文房具、雑貨
- ボールペン、シャープペンシルなど日常用いる筆記具や人形などが、フィクションの世界では用いられている。実際には挿入までいかず自慰行為の補助的に使われる例がある。SMプレイでは蝋燭やペンライト、細身の懐中電灯なども使われることがある。
- スポーツ用品
- テニスラケット、野球のバットなど。コスチュームプレイと組み合わせて撮影用ギミックとして行なうことが多い。ピンポン球、ゴルフボールも手ごろなサイズのためモチーフとされる。
- お札・小銭
- 露出プレイの一環として、裸での買い物をする際に財布代わりになる。そのまま入れると実際の使用が難しいことからコンドームに入れることが多い。
- 人工便
- ポルノ映画の撮影や、浣腸マニアによって使われる。撮影効果を上げたり、排泄の感触を繰り返し楽しむ、といった目的で用いられる。ゼラチンや食用色素、刻んだこんにゃくなどを用いて作られる。味噌は塩分が強いために粘膜を傷める可能性があるので撮影には不向き。
- 花
- ポルノ映画、アダルトビデオなどで用いられるモチーフ。膣や肛門に花を活けて人間花器とする。
- 動物
- 測定器具
- 膣圧計と呼ばれる器具を挿入して、膣の締め付け具合を計る。アダルトグッズ、もしくは医療器具として入手が可能。
[編集] 注意
異物挿入には、細菌感染や粘膜の損傷などの危険が伴う。またこれらの行為は肉体的・精神的負担が大きいので充分な配慮とケアが必要である。