百匹目の猿現象
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百匹目の猿現象(ひゃっぴきめのさる げんしょう、英語:Hundredth Monkey)は、ライアル・ワトソンが創作した生物学の現象である。
宮崎県の幸島に棲息する猿の一頭がイモを洗って食べるようになり、同行動を取る猿の数が閾値(仮に100匹としている)を越えたときその行動が群れ全体に広がり、さらに場所を隔てた大分県高崎山の猿の群れでも突然この行動が見られるようになったという。このように「ある行動、考えなどが、ある一定数を超えると、これが接触のない同類の仲間にも伝播する」という現象を指す。
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[編集] 経緯
ライアル・ワトソンがその著書『生命潮流』で述べ、ケン・キース・ジュニアの著書『百番目のサル』によって世界中に広まった。これが日本では『百匹目の猿―思いが世界を変える』(船井幸雄著)で紹介され、人間にも同様の現象が存在するのではないかということでニューエイジ関係で有名になった。
だが実際には、初めに報告されていたニホンザルの逸話は創作されたもので、高崎山はもちろん群全体に伝播したという事実も観測されていない。ライアル・ワトソンは河合雅雄の論文(KAWAI, M 'Newly acquired precultual behaviour of the natural troop of Japanese monkeys on Koshima Islet,'Primates 6: 1-30, 1965.)によるものとしていたが、その論文に反する内容であり、全くの創作であることをライアル・ワトソン自身も認めている。
[編集] 参考文献
- 伊谷純一郎『高崎山のサル』(1954年)絶版
- ケン・キース・ジュニア 『百番目のサル』 ISBN 4914935031
- ライアル・ワトソン 『生命潮流―来たるべきものの予感』 ISBN 4875020775
- 山本弘 「『百匹目のサル』 の甘いささやき」 『(別冊宝島)洗脳されたい!』 ISBN 4796693009
- と学会 (山本弘、志水一夫、皆神龍太郎) 『トンデモ超常現象99の真相』 ISBN 4896912519 ISBN 4796618007
[編集] 関連項目
- シェルドレイクの仮説
- シンクロニシティ(共時性)
[編集] 外部リンク
- 百匹めのサル the hundredth monkey phenomenon(要領の良い概要説明)
- The Hundredth Monkey Phenomenon(ロン・アームンドスンによる、百匹目の猿現象に関するワトソンの問題点の指摘)
- 「百匹目の猿」の嘘を暴いた"The Hundredth Monkey Phenomenon"by Ron Amundson(上記アームンドスンの記事の日本語訳)
- ワトソンが参考文献に挙げた河合博士の論文(PDFファイルで読むことができる/30ドル)
- 宮崎県幸島(幸島のサルの写真)
- 大分県高崎山(高崎山のサルの写真)