真ゲッターロボ (架空のロボット)
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真ゲッターロボは、『真ゲッターロボ』などに登場する架空のロボット。
真ゲッターロボに関する設定は複雑なため、作品別に分けて表記する。また、作品ごとに使用する武器や機体デザインなどに多少の違いがある。
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[編集] 漫画『真ゲッターロボ』『ゲッターロボ號』
本作における設定は、ゲッター線の力を最大限に引き出すことを目的とした機体として早乙女博士が開発したゲッターロボというものである。 後述するがこれは本来、漫画版『ゲッターロボ號』においてゲッターロボという作品を石川賢が完結させようという構想が当時あった為だと思われる。
その能力は圧倒的で、ゲッターロボGですら軽く凌駕するが、宇宙から自然に降り注ぐゲッター線だけでは100%の性能を引き出すのに必要なエネルギーを充填するのに3年かかるため、ゲッタードラゴンをエネルギー増幅炉として使用しなければならなかった(それでも50%までしか充填できなかった)。漫画版『ゲッターロボ號』では後半に真ゲッターロボが登場し、物語を完結させる。なお『ゲッターロボ號』のほうが先に発表されているが、作品内の時系列で後の話であり、號において真ゲッターロボが登場するシーンは、近年の単行本では設定の変化とともに多少修正されている。また、初登場時はゲッター線を使用していないゲッターロボ號と対比させて「真のゲッターロボ」と呼ばれていたのだが、後に真ゲッターロボというのが正式名称となった。
漫画『ゲッターロボ號』で登場した際は、合体したまま真ゲッター1の上半身から真ゲッター2の上半身をモーフィング変形させるという衝撃的な変形をしていたが、漫画『真ゲッターロボ』ではそれまでのゲッターロボと同様に3機のゲットマシンが合体するシステムであったことが明かされた。前者の変形はパイロットとゲッター線の同調率に因る所が大きいと思われる。 武装はゲッターロボ・ゲッターロボGと同様にゲッタートマホーク、ゲッタービームを装備。またパイロットの意思が非常に強いものであれば広範囲を消滅させる光球ストナーサンシャインを放つ事も可能。飛行速度は亜光速~超光速まで加速する。
また、出力によってトマホークの形状が変わる(五分の一だと片刃で柄が長く先がイボつきのタイプになり、二分の一以上だと両刃で柄が長く先が槍状のタイプになる)。
[編集] OVA『真(チェンジ!!)ゲッターロボ 世界最後の日』
本作における真ゲッターロボの設定は、真ドラゴン護衛用として1機のみ製造されたものというものである。13年前に発生した早乙女博士の復活時に発射された重陽子ミサイル落着を阻止すべく宇宙へ上がったが、スティンガーとコーウェンに妨害され、ミサイルは研究所に落着。地球はゲッター線で汚染され、周囲一帯は壊滅した。それ以降研究所に放置されていたが、偶然研究所跡に迷い込んだケイと車弁慶、謎の男ゴウをパイロットに再起動する。はじめ、ゴウ、ケイ、ガイの3名が搭乗。真ドラゴンとの決戦以降は流竜馬、神隼人、車弁慶の3名が搭乗した。
性能は全般的に高いが、作中終盤に出現した巨大インベーダー軍団の前には苦戦を強いられた。最終話では、真ドラゴンとの連携による攻撃「ファイナルゲッタービーム」「ファイナルゲッタートマホーク」(いずれもネーミングはスーパーロボット大戦Dによる)を繰り出し、木星の衛星ごとインベーダーを殲滅した。しかしその余波で真ゲッターも両腕を失うなど多大なダメージを受ける。その後発動した最終兵器「シャインスパーク」のエネルギー増幅炉となるも、ボロボロの真ゲッターではシャインスパークのエネルギーには耐えきれず、光の中で徐々に崩壊していく。その光の中、竜馬達はある「目的」に気づき、真ゲッターとともに時の狭間に旅立っていった。
本作では、変形すると真ゲッターロボの色が変わるようになっている。真ゲッター1は赤、真ゲッター2は白、真ゲッター3は黄系統のカラーリングである。また、この作品では、真ゲッター1が「鎌」(ゲッターサイト)、「槍」(ゲッターランサー)を使用している他、ゲッタービームを頭部と腹部の2カ所から発射できる。頭部からのビームは緑、腹部からのビームは赤(ただし、ストナーサンシャイン使用後、真ドラゴン内部から吹っ飛ばされた後に腹部からゲッタービームを撃った際は緑色のビームが出ていたり、木星での最終決戦時など、頭部からのビームが赤になっていることもあった)。
[編集] OVA『真ゲッターロボ対ネオゲッターロボ』
本作では、真ゲッターロボはゲッターロボの後継機として(ゲッターGが開発されていないため)開発が進められていた。本来、ニューヨークにおける恐竜帝国との決戦に投入されるはずだったが、起動に失敗。ゲッターロボはパイロットの武蔵もろとも自爆し、恐竜帝国に壊滅的な打撃を与えると同時にニューヨークを壊滅させる。その影響で封印されていたが、恐竜帝国の再来に際し封印を解かれ、一文字號の気合で遂に起動。対恐竜帝国用に戦線投入された。
その能力は高く、バット将軍やガリレイ長官を苦もなく倒す絶大な戦闘能力を誇る。しかし、その性能を持ってしても最終決戦において巨大化したゴールには手も足も出ず、片腕をもぎ取られ、あわや撃破寸前にまで追い込まれたが、「神ゲッター」と呼ばれる形態に進化したことで形勢が逆転。逆にゴールを瞬殺する恐るべき本領を発揮している。
小説版では、封印されたことになっているが、実際は臨戦態勢のままにされており、5年前の恐竜帝国との最終決戦で、武蔵がゲッター炉心を暴走させたその瞬間やネオゲッターロボとメカザウルス・ゲラとの戦闘時に、炉心に火が入りそうになったことがある。ネオゲッターロボが大破した際、自動操縦で早乙女研究所から発進し、アラスカ戦線に参加した。何らかの意志があるような描写がされている。やはり能力は凄まじく、最小出力のゲッタービームでもネオゲッターのゲッタービームキャリアによるゲッタービームとは比べものにならない威力を誇る。
本作では、ゲッタートマホークが「ダブルトマホークランサー」と呼ばれた(小説では普通にゲッタートマホークと呼ばれる)他、デザインも簡素化されており、脚部のモールドが無く、前作の真ゲッターにあった「瞳」も無い(號が最終決戦で真ゲッターを再起させた際、一瞬「瞳」が発現、神ゲッター形態では、完全に瞳が出現した状態となっている)。スーパーロボット大戦Rでは「ストナーサンシャイン」が装備されているが、劇中でストナーサンシャインが使われたことはない。
[編集] 小説『スーパーロボット大戦』
本作の真ゲッターロボは、現代より先の未来で早乙女博士が臨界点を超えたゲッター線にも耐えうるロボットとして開発したものである。しかし、実験は失敗し早乙女博士達は死亡(本作は全体的にTV版が元となっているが、このエピソードは漫画版の「ゲッターロボ號」が元になっていると思われる)、残ったボディをパリアッチョが回収し、遠い未来の世界で現代からやって来た竜馬達のゲッターロボGと対決した。なお、真ゲッター1を見たゲッターチームは、旧ゲッターロボを改造したものと判断するなど、ゲームのスーパーロボット大戦と同等の設定も見受けられる。パイロットはクローンの武蔵3人だが、真ゲッターの力で姿が変わってしまっていた。竜馬達のゲッターGを圧倒したものの、最後はシャインスパークの直撃を喰らって破壊される。その後、竜馬達の現代では真ゲッターが開発される事はなかったものと思われる。唯一真ゲッターが完全な悪の存在として使用された作品であった。
[編集] ゲーム『スーパーロボット大戦シリーズ』
ゲッターロボをはじめ多くのロボット作品が登場するゲームソフトのシリーズ。
ゲームの進行とともにアニメ版ゲッターロボGのさらなる後継機として真ゲッターロボが登場する。非常に古い作品の直系でありながら新しいデザイン・キャラクター性を持つ真ゲッターは、このシリーズの中核を占めるガンダムシリーズに対抗しうる存在であり、また原作での圧倒的な存在感もあってか、95年の「第4次スーパーロボット大戦」以降ほとんどのシリーズで登場している。なお真ゲッター2の下半身と真ゲッター3はこのゲームのために書き下ろされたのが初出。ちなみに、ゲーム中の登場は様々で、ゲームだけのオリジナル設定で登場すること(旧シリーズの真ゲッターは旧ゲッターがゲッター線を浴びて変化している)もあれば、ゲッター線暴走の産物になることもあったり、敵に渡って利用されてしまったりもする。
αシリーズでは、宇宙怪獣を倒すために開発されたという設定。原作どおりにゲッタードラゴンを超えるゲッターとして登場し、初陣でエヴァの「使徒」を一撃で粉砕、その圧倒的強さを見せ付けている。このとおりにあまりに強力な機体だったため、スパロボにマジンカイザーが登場するきっかけともなった。
「スーパーロボット大戦W」ではマジンカイザーとは同時期に開発され、お互いのどちらかが何らかの事情で暴走した際に封印が解ける(封印を解く条件はこの方法に限らず、カイザーはマジンガーZの破壊が封印が解かれる条件となっており、真ゲッターも早乙女博士の意思で封印を解く事が出来たようである)カウンター的存在という設定だった。
なお、スパロボの作品によって、モデルとしている原作が以下のように異なる。
- 第4次からスーパーロボット大戦F完結編までは漫画・ゲッターロボ號での設定・デザインが用いられている(ただし、足にかぎかっこ状のモールドが無いなど微妙なデザインの違いがあり)。前述のとおり、真ゲッター2、真ゲッター3は当作品のために書き起こされたもの。変形はゲットマシンには分離せず、モーフィングによって行われる。なお、新スーパーロボット大戦で装備されてい真・シャインスパークは原作で使っていたそれらしき技が元で、名称はダイナミックプロ公式とのことである。
- スーパーロボット大戦αからスーパーロボット大戦α外伝までは漫画・真ゲッターロボでの設定・デザインが用いられ、変形が通常のゲッターロボ同様ゲットマシンの分離・合体によるものとなった。真・シャインスパークは上記と同様。
- 第2次スーパーロボット大戦α以降はOVA版の設定・デザインが用いられている。設定は真(チェンジ!!)ゲッターロボと真ゲッターロボ対ネオゲッターロボの折半、デザインは真ゲッターロボ対ネオゲッターロボのものがメインとなっている。武装は原作版。なお、真シャインスパークは真ゲッター1のほかに、ゲッターロボ大決戦版の「真ゲッタードラゴン」も使用しているため、本来は真ゲッタードラゴンの技であるという意見も有る。
[編集] ゲーム『ゲッターロボ大決戦!』
『スーパーロボット大戦シリーズ』とよく似たシミュレーションRPGゲーム。
真ゲッターロボを含む各種ゲッターロボとゲッターロボ號に登場した各国のスーパーロボット(とテキサスマック)によるゲッターロボの世界のみのゲームである。特徴として、マップクリアごとのインターミッションでゲッターロボ合体シミュレーションを行ない合格しないとゲッターロボGや真ゲッターロボには乗れないことになっている(訓練機はモノトーンの真ゲッターロボ)。ダイナミックプロも企画に加わり、石川賢デザインの女性型ゲッター(ゲッターロボ斬)が初登場している(ゲッター烈火、ゲッター紫電、ゲッター金剛の3形態になり、パイロットも3人とも女性)。ゲーム終盤ではゲッターエンペラーが早乙女博士の作った宇宙母艦として登場する。ブラックゲッターはOVAのものとはデザインと設定が異なり、ゲッターロボやゲッターGの予備パーツの寄せ集めで建造されたことになっている(そのため変形はできないが、ドリルがついている)。またゲーム終盤に登場するゲームオリジナルの真ゲッタードラゴンの設定は原作漫画版に近く、大量のゲッター線を浴びたゲッターロボGが繭を作り進化した姿となっている。この真ゲッタードラゴンは全身の変形こそ行わないものの、体の一部(腹部や腕部)を変形させてドリルやストロングミサイルといった他形態の武器も使っているため、変形不可能というわけではないようだ。