禄剛崎
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禄剛崎(ろっこうさき、ろっこうざき)は、能登半島の先端に位置し、日本海に面する岬。所属自治体は石川県珠洲(すず)市。
古くから日本海航路の要所として重要視されていたため、隔絶された地の割には集落が発展した。特に一帯は海難事故が多かったため、航路を照らすのろしが古くから上げられていた場所であった。現在の珠洲という地名は「すすみ」(古訓で、のろしのこと)にちなむともいわれるほどであり、狼煙港などの地名が残っている。この狼煙は1883年(明治16年)に白亜の石造灯台、禄剛埼灯台が建設されるまで活躍していたという。
また、禄剛崎一帯には海岸段丘が発達、沿岸には千畳敷と呼ばれる海食台地が卓越しており、景観に優れる。能登半島国定公園の代表的な景勝地の一つで、灯台一帯は広場として整備されており、観光拠点として機能する。また、能登半島の外浦と内浦の双方にまたがるため、朝日と夕日が同じ場所で見られることでも知られる。
かつてはこの一帯で製塩が盛んに行われており、江戸時代には加賀藩の奨励もあって繁栄したが、現在は一団体が仁江海岸で昔ながらの揚げ浜式塩田による製塩を行っているに過ぎない。しかし、これが観光資源として生かされ、近辺に道の駅すず塩田村が誕生した。