竹富島
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竹富島(たけとみじま)は、沖縄県の八重山諸島にある島。沖縄県八重山郡竹富町に属している。八重山の中心地である石垣島からは高速船で約10分程(約6km)の距離にある。島の中央部にある集落全体が、木造赤瓦の民家と白砂を敷詰めた道という沖縄古来の姿を保っている。なお、「竹富」は近代になってからの当て字で、明治半ばまでは「武富」と表記されることが多く、かつてはタキドゥンと呼ばれていた。現在も住民には「テードゥン」と呼ばれることが多い。
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[編集] 地理
全島が隆起珊瑚礁で出来ており、南北に長い楕円形。周囲は約8km。極めて平坦で、集落の家の屋根が島で一番高いところである。
[編集] 赤瓦と竹富島
島では、昔ながらの街並や文化を保存しようとする意識が非常に高い、その例として
- 新しく家を建てる場合は必ず許可を得てから、平屋の赤瓦の家(カーラヤー)を建てなければならない。ただし、赤瓦を葺く場合は補助金が支給される。
- 窓ガラス等は見えにくいようにすだれなどで隠す。
- 建物の外に看板などを露出させることは原則禁止。
- 大規模リゾート開発を目的とした土地買収には応じない。
- 珊瑚を砕いた白砂の道は、住民の毎朝の掃除によって美しい状態に維持されている。また白砂はアスファルトと違い、雨や台風が来るたびに、少しづつ海に流れていってしまう。そのため、住民は砂浜で白砂を集めてきて、定期的に道を補修している。
などが挙げられる。これらの島民たちの努力の成果により、沖縄の原風景とも言える赤瓦屋根の集落が現在でも残っており、それがそのまま観光資源として生かされている。また、島のほぼ中心部にある赤山公園内のなごみの塔からは、赤瓦屋根の集落が見渡せる。
なお、竹富の集落の家並みは重要伝統的建造物群保存地区に選定されている。
昔ながらの街並だけではなく、自然環境も良好で、島の西側にはコンドイビーチ(海水浴場)や星砂(太陽の砂)で有名な、皆治(カイジ)浜などもある。しかし、現在では自分勝手な観光客たちの砂の持ち帰りのせいで星砂はほとんど見られなくなってしまった。集落は島の中央からやや北に集中しており、南には牧場が広がる。また、島の南部には、県内有数規模の車海老養殖場があり、県外へと出荷されている。
[編集] 歴史
- 琉球王朝時代には、八重山地方の政庁(蔵元)が置かれていた時期もある。
- 稲作に向かない土地であった為、船で西表島に渡って耕作する、出作が行われていた。
[編集] 文化
赤瓦屋根の家並と並んでこの島の特徴となっているのが、一年を通して数多くの祭礼が継承され、実施されていることである。プーリィ(豊年祭)や結願(キツガン)祭、節祭(シチ)といった、八重山の各地で行われている祭に加え、世迎え(ユーンカイ)、十五夜祭(ジングヤ)など竹富独特のものも少なくない。それらの中でも、特に盛大に行われているのは、陰暦の9、10月中の甲申(きのえさる)の日から10日間に渡って行われる種子取祭(タナドゥイ)である。この期間は数々の神事が行われ、また祭の7、8日目には多くの奉納芸能も行われる。期間中は多数の観光客も訪れて島は活況を見せる。
かつては織物が盛んで、芭蕉布の原料となる芭蕉の木があちこちにみられる。現在でも竹富民芸館を中心として、ミンサーやぐんぼうなどが織られている。
また多くの御嶽(うたき)が存在し、信仰の対象となっている。特に竹富島の始祖と言われる6人の酋長を祀った御獄は六山(ムーヤマ)と呼ばれ、各種の神事の行われる最も重要な拝所とされている。
[編集] 観光
- 水牛車…水牛の歩く早さで街並を巡りながら、御者が観光案内を行う、途中では三線の演奏も行われる。由布島の水牛車を参考に始められた。
- 民宿…多くの家が民宿として宿泊でき、島の主要な産業となっている。旅館やゲストハウスもある。旅館は一軒のみでホテル等はない。石垣島の宿泊施設からの日帰りで島を訪れる観光客が大半であるため、島に宿泊すると、石垣島へ向かう船の最終便が出た後は昼間とは違う雰囲気を味わうことができる。
[編集] 島へのアクセス
- 安栄観光
- - 石垣港(離島桟橋) 所要10分 朝から夕方まで30分おきに就航
ほか、貨客船(カーフェリー)が週2便就航 - - 西表島大原港 大原港からの片道のみ、1日1便のみ就航(竹富寄港は不定期)
- - 石垣港(離島桟橋) 所要10分 朝から夕方まで30分おきに就航
- 石垣島ドリーム観光 2007年就航予定
- - 石垣港(予定)
[編集] 概要
- 位置:北緯24度15分 東経124度30分
- 人口:約342人(2005年6月現在)
- 戸数:約172戸
- 周囲:9.2km
- 面積:5.42平方km
[編集] 関連項目
- 日本の秘境100選
- 重要無形民俗文化財(竹富島の種子取)1977.5.17指定
- 重要伝統的建造物群保存地区(竹富島伝統的建造物群保存地区)1987.4.28指定
[編集] 外部リンク
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