綾瀬川断層
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綾瀬川断層(あやせがわだんそう)とは、首都圏北縁部(埼玉県鴻巣市-さいたま市)に存在する活断層のこと。
最も首都圏に近接している活断層の一つであり、この断層の正確な位置や活動周期を知ることは首都圏防災にとって大いに重要であった。近年まで綾瀬川断層の広がりや変動分布などは断片的にしか分かっておらず、非常に不明瞭な活断層であったが、1996年(平成7年)に埼玉県が反射法探査やボーリング調査を実施したところ、その活動度は低いことが明らかになった。過去にも大きな地震を起こしたという記録もなく、危険度は比較的低いと思われる。
綾瀬川断層は1981年(昭和56年)に大宮台地北東部の桶川市加納地区から旧大宮市深作地区にかけての地形および東京軽石層の分布高度などの検討結果などから初めて認められ、綾瀬川低地に存在していたことからこのように命名された。この綾瀬川断層の北東方向にある久喜断層とに挟まれた地域を元荒川構造帯と呼称する。
また四国-紀伊半島から関東にまたがる日本最大の活断層である中央構造線の一部がこの綾瀬川断層付近まで延びていることが最近判明した。