虎尾山
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
虎尾山(とらおやま)は、三重県伊勢市にある山(丘陵)の名称である。
[編集] 概要
伊勢市市街の東端、尾上町地区に位置する小高い丘であり、標高は50.9mである。明治末期には虎ヶ尾と呼ばれていたが、その後に笠松山と虎尾山の名称が併用して使用されるようになり、現在では虎尾山の名称が一般的に定着している。笠松山の呼称は、かつて頂上に松の木が植えられていたと言う事による物で、虎尾山の名称は虎尾川と呼ばれる小川が、江戸時代にここを源流として流れていた事による物であると言われる。
現在、山への参道は草木に覆われた獣道のようになっているが、頂上には明治聖代戦役記念碑として、1928年より日露戦争の記念碑が建立されている。昭和期は、虎尾山一帯が「虎尾山遊園地」として整備されており、その一環で皇国史観教育に基づき、立てられた物であると見られている。
古代に3基の古墳が築造されたと考えられている。長さ約25.5mのトンネル(虎尾山トンネル)でこの丘を貫通し、1969年(昭和44年)に近鉄鳥羽線の宇治山田駅・五十鈴川駅間が開通した。戦役記念碑は昭和40年代に何者かによりもーれつア太郎に登場するニャロメの落書きをされたことからニャロメの塔と呼ばれた。
近年は、戦役記念碑を訪れる者も無く荒れ果てる状態となっていたが、地元のNPO法人(自利利他)や、伊勢市を舞台にした恋愛小説『半分の月がのぼる空』(橋本紡/著、電撃文庫)の作中で、主人公とヒロインに縁の深い場所としてこの山が出てきたことから、そのファン等が日本全国から集まり、協力して定期的に山の清掃活動や整備をして(この活動には原作者の橋本氏も参加している、なお作中では、この山の名前は砲台山で頂上には旧日本軍の砲台跡があるという設定だが、実際の山にはない)、今では頂上まで気軽に行けるようになっている。この活動は、中日新聞などにも掲載されたことがある。
[編集] 外部リンク
カテゴリ: 三重県の山 | 三重県の建築物・観光名所 | 三重県の自然景勝地 | 日本の地理関連のスタブ項目