褐藻
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褐藻類(かっそうるい)とは、藻類の一群で、褐色をしているのが特徴である。ほとんどが海産で、極めて大型になるものが含まれる。
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[編集] 特徴
褐藻類は、海産の多細胞藻類を中心とする生物群である。褐色をしていることからその名がある(ワカメは湯通しするまでは褐色)。単細胞のものはなく、糸状、葉状、あるいは樹枝状などさまざまな構造のものがある。生殖器や分裂組織などが分化するものもあり、海藻の中では最もよく発達した藻体を形成し、大きくなるものでは数十mにも達する。
[編集] 生活環
多くのものが単相と複相の二つの世代があって、世代交代のある生活環をもつ。コンブやワカメでは複相の体(胞子体)の方がよく発達し、単相の体(配偶体)がごく小さい。しかし、両者にほとんど違いが見られないものや、大きさの関係が逆になっているものもある。ホンダワラ類は複相の体のみで、動物と同じような生活環である。
減数分裂で生じる胞子は鞭毛を持つ。配偶子は同型のものもあるが、卵と精子に分化しているものも多い。鞭毛細胞は横に二本の鞭毛を持つ。前向きの一本は羽根型、後ろ向きの一本は鞭型である。
大型種では多年生のものもある。岩の上に固着する根状部のみを残して上が切り落とされ、翌年再びそこから茎を伸ばす。ホンダワラ類では、切り落とされた樹枝状の体がそのまま水面に浮かんだままで、枯れずに残り、長く海面を漂う。これを流れ藻と言い、稚魚のよりどころとなるなど、多くの生物に利用される。
[編集] 成育環境
ごく一部を除いて海産である。多くは潮下帯以下の、やや深いところに生育する。特に寒冷な地域の海に大型種が多く、その地域での主要な海藻となっている。
[編集] 分類
褐藻植物門として独立させるのが通例であったが、近年、ケイソウ類等と共に不等毛植物門に含め、その中で褐藻植物綱とする場合がある。クロミスタ界では最も体勢が発達した群である。多くの目がある。
褐藻植物