西田友是
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西田 友是(にした ともゆき、1949年- )は日本におけるコンピュータグラフィックス(CG)のパイオニアである。広島県出身。 東京大学教授。
1970年から広島大学工学部電気機器研究室で中前栄八郎教授に師事し、隠線消去、隠面消去、陰影表示などのCGの研究をはじめた。光の相互反射光まで計算してリアルな画像を生成するラジオシティ法の開発者の1人である。また、影の計算法、特に境界のやわらかい影であるソフトシャドーの表示法を最初に開発した。
3次元コンピュータグラフィックスに関しての主な業績としては、3次元物体のリアルな表現法、照明シミュレーション(種々の光源、相互反射光の計算、天空光)、景観予測、自由曲面(Bezier曲面など)の表示法、雲などの自然物の表示、CGアニメーション、インタラクティブレンダリング等の先駆的な研究がある。
長年のCG界への功績に対して、2005年、米国ACM SIGGRAPHからCG界のノーベル賞といわれるクーンズ賞をアジアで初めて受賞し、2006年、NICOGRAPHからCG-Japan Awardを受賞している。
こうした功績から、2006年3月、画像電子学会において、CG関連の優秀論文の著者に与えられる賞「西田賞」が創設された。
[編集] 経歴
- 1973年 - 広島大学大学院工学研究科修了、マツダ入社
- 1979年 - 福山大学工学部電子電気工学科講師
- 1988年から1年間米国Brigham Young大学客員研究員
- 1990年 - 福山大学教授
- 1994年より東京大学理学部非常勤講師
- 1998年10月 - 東京大学大学院理学系研究科情報科学専攻教授
- 1999年 - 東京大学大学院新領域創成科学研究科複雑理工学専攻教授
[編集] 書籍
- 3次元コンピュータ・グラフィックス/共著、1986年5月、昭晃堂
- コンピュータによる画像生成、1999年7月、大学教育出版
- ビジュアルコンピューティング―3次元CGによる画像生成/共著、2006年9月、東京電機大学出版局
[編集] 外部リンク
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