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西郷星(さいごうぼし)とは、明治10年 (1877年)頃、西南戦争による世の混乱の中、西郷隆盛の死を悼む人々の間で流布した噂である。
この頃、火星の大接近があり、最接近時の9月3日には見かけの等級が-2.5等あまりにまで輝いていた。この時、「火星の赤い光の中に、西郷隆盛の姿が見えた」という噂が流れ、西郷星と呼ばれて大騒ぎになった。
やがてこれに便乗し、西郷星を描いた錦絵が何種類も売り出されて人気を博したと、エドワード・モースの当時の日記にも記されている。
また、この時に火星の近くに位置していた土星も、桐野利秋に因んで桐野星(きりのぼし)と呼ばれた。