認定心理士
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認定心理士とは、日本心理学会が認定する資格の1つで、心理学専攻者としてのアイデンティティを持ち、専門性の向上に資するために設けられた資格である。
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[編集] 認定心理士とは
認定心理士の資格は四年制大学などにおいて心理学を専攻した者に対して一定の要件を満たしている事を条件として、心理学の専門家として職務を遂行するために必要最小限の標準的基礎学力と技能を修得している事を認定する事を目的としている。民間資格であるため、資格の取得による効能はないが、有資格者は日本心理学会認定心理士と称する事を得る。
[編集] 資格の意義
認定心理士は日本心理学会が心理学に関する職務を遂行するのに必要な基礎学力と技能を修得している事を認定する目的により創設された資格である。この資格はその他の心理系資格に見受けられるような、心理カウンセラーとしての技能を認定するなどのように、直接的な効果や特典をともなうものではない。しかし、心理系大学院に進学する場合は、大学院によっては入学者の要件として「認定心理士資格取得程度の知識を有する事が望ましい」という規定を置くところもある事から一定の評価対象とされる場合もある。
[編集] 資格の取得方法
認定心理士の資格を受けようとするものは、特に試験を受ける必要はない。以下の資格認定要件を満たしている場合、日本心理学会の認定委員会が配布する「認定心理士申請書類」に必要事項を記入して送付する事により、必要な審査を経て、後日、同委員会から可否の通知が送付される事となる。ちなみに書類、審査、認定は全て有料である。
[編集] 資格認定要件
- 日本心理学会より認定心理士の資格を受けようとする者は、下記の条件を満たさなければならない。
- 16才以降少なくとも2年以上日本国に滞在した経験を有する者。
- 学校教育法により定められた大学、または大学院における心理学専攻、教育心理学専攻、または心理学関連専攻の学科において、別表に掲げる科目を履修し、必要単位を修得し、卒業または修了した者、および、それと同等以上の学力を有すると認められた者。
- さらに、認定心理士の資格を受けようとする場合には、下記の事項に沿い大学等において心理学の単位を取得しなければならない。
- 以下の科目名一覧に基づき、それぞれの大学ないし学科の実情に応じ、名称に捉われないで当該内容が含まれるか否かによって判定する。合計は36単位以上とする。
- 心理学概論は、一般教育や教職教養における科目をもって充当することもできる。
- 複数領域にまたがる科目を該当させることもできる。ただし、その科目をもって複数科目を修得したとすることはできない。
- 基礎科目の(A)(B)(C)は各3単位以上修得し、合計で12単位以上となること。
- 選択必修科目[(D)-(H)]の5領域のうち3領域以上で、各領域3単位以上、合計16単位を満たしていること。
- 残り8単位は(A)-(H)の任意の科目または「その他」の領域(I)の科目で充当すること。
- 卒業論文は、卒業論文を単位として授与する機関に限り、その機関で授与している単位数のうち、最大4単位までを認定のための単位としてその他の領域(I)の単位として充当できるものとする。
- 「基礎科目」はA・B・Cの各領域3単位以上であり、小計が12単位以上であること
- 「選択科目」はD・E・F・G・Hの5領域中3領域が各3単位以上であり、かつ、5領域の小計が16単位以上であること
- さらに「その他の科目」(I)の単位を加えて総計36単位以上であることが必要とされる。
- ※但し、「その他の科目」以外の各領域は「基本主題」と「副次主題」のいずれかに分類される。
- 各領域で必要な単位は3単位以上であるが、この3単位中少なくとも2単位は「基本主題」に属する単位でなければならない。
- 残余の1単位分は「副次主題」に属する単位でもよい。「卒業論文」は、最大4単位までが「その他の科目」(I)の領域の単位として認められる。
[編集] 認定心理士資格認定指定科目
認定心理士 | |||
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基礎科目 | 12単位 | ||
(A)心理学概論 | 基本主題(心理学概論、教育心理学概論、基礎心理学、一般心理学、心理学中心の行動科学概論・行動科学など) 副次主題(心理学史、社会心理学概論、学習心理学概論、人格心理学概論、発達心理学概論、臨床心理学概論など) | ||
(B)心理学研究法 | 基本主題(心理学研究法、教育心理学研究法、心理学実験法、実験計画法、心理測定法、人格診断法、心理統計学、計量心理学など)、副次主題(心理統計学でない一般統計学、心理学実験を目的とした情報処理技法など) | ||
(C)心理学実験・実習 | 基本主題(心理学基礎実験、心理学実験、心理学実験実習、行動科学基礎実験、教育心理学実験実習、社会心理学実験実習など)副次主題(心理検査法実習、臨床心理学実習、心理学実験を対象としたコンピュ-タ実習など) | ||
選択科目 | 16単位 | ||
(D)知覚心理学・学習心理学 | 基本主題(知覚心理学、感覚心理学、認知心理学、学習心理学、思考心理学、情報処理心理学、数理心理学、言語心理学、感情心理学、行動分析学など)、副次主題(色彩心理学、人間工学など) | ||
(E)教育心理学・発達心理学 | 基本主題(教育心理学、発達心理学、児童心理学、青年心理学、生涯発達心理学、教育評価、教育測定、教科学習心理学、教授心理学、学校心理学、発達臨床心理学など)副次主題(教育工学、学業不振児の心理、教師の心理、親子関係の心理など) | ||
(F)生理心理学・比較心理学 | 基本主題(生理心理学、比較心理学、動物心理学、比較行動学、精神生理学、神経心理学など) 副次主題(神経生理学、行動薬理学、動物生態学など) | ||
(G)臨床心理学・人格心理学 | 基本主題(臨床心理学、人格心理学、性格心理学、健康心理学、福祉心理学、異常心理学、精神分析学、自我心理学、心理療法、行動療法、カウンセリング、児童臨床心理学、障害者心理学、行動障害論、適応障害論、適応の心理、臨床心理学実習、心理検査実習、犯罪心理学、非行心理学、矯正心理学、教育相談、精神保健学、精神衛生学など)副次主題(精神医学、行動医学、心身医学など) | ||
(H)社会心理学・産業心理学 | 基本主題(社会心理学、実験社会心理学、集団心理学、グル-プ・ダイナミックス、心理学的人間関係論、対人関係論、対人認知論、コミュニケ-ションの心理学、マスメディアの心理学、家族心理学、コミュニティ心理学、環境心理学、産業心理学、組織心理学、労働心理学、消費者の心理、職業心理学、文化心理学、社会心理学調査実習など) 副次主題(社会学的な社会心理学、心理学的な労働科学など) | ||
その他の科目 | 4単位まで | ||
(I)その他の科目 | 心理学関連科目、卒業論文・卒業研究(原則的にAからHの複数の領域にかかわる心理学関連科目、および卒業論文・卒業研究最大4単位まで) |