豊島ミホ
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豊島 ミホ(としま みほ 1982年-)は、日本の小説家。 秋田県生まれ、秋田県立横手高等学校・早稲田大学第二文学部卒。 大学在学中の2002年、『青空チェリー』で「女による女のための『R-18』文学賞(読者賞)」を受賞してデビュー。
目次 |
[編集] 書籍
- 2002年:『青空チェリー』 (新潮社)
- 2005年:『青空チェリー』文庫本 (新潮文庫)
- 2004年:『日傘のお兄さん』 (新潮社)
- 2004年:『ブルースノウ・ワルツ』 (講談社)
- 2005年:『檸檬のころ』 (幻冬舎) 映画化され、2007年3月公開
- 2007年:『檸檬のころ』文庫本(幻冬舎文庫)
- 2006年:『陽の子雨の子』 (講談社)
- 2006年:『夜の朝顔』 (集英社)
- 2006年:『エバーグリーン』 (双葉社)
- 2006年:『底辺女子高生』 (幻冬舎文庫)
[編集] 作品の特徴
- 「檸檬のころ」のエピソードは作者の高校時代の経験が、かなり反映されている。作者自身の高校時代を綴ったエッセイである『底辺女子高生』と比較参照すると、「檸檬のころ」に出ているキャラやエピソードの多くは作者をモデルにしたものだとわかる。保健室の引きこもり少女や、音楽バカの少女は作者の分身であると解釈可能である。また、『青空チェリー』所収の、「ハニィ空が灼けているよ」や「エバーグリーン」、上記の「檸檬のころ」に出てくる田舎の情景は作者の故郷である秋田県をモチーフにしていると思われる。特に「檸檬のころ」で描かれる「北高」校舎間取りや周辺地理は、作者の母校である秋田県立横手高等学校のそれとかなり近い。
- 漫画家を目指していた時期もあるらしく、やたらとイラストがうまい。自身のブログや『底辺女子高生』では作者のイラストを見ることができる。
- 『青空チェリー』は単行本版と文庫版で内容が大幅に書き換えられている。両者とも短編3本構成であるが、「ハニィ空が灼けているよ」はかなりの部分が改訂され、表題作でないのこりの一本は丸々書き下ろしになっている。
[編集] エピソード
- デビュー当時は学歴を非公開にしていた。同時期に、同じ大学の後輩に当たる綿矢りさが「蹴りたい背中」で芥川賞を受賞していたので、比較されるのが嫌だったとネット上でのインタビューで答えている。ちなみに作者本人は「蹴りたい背中」が大好きでエッセイの中でも「読んでください!」などと薦めている。
- 『底辺女子高生』のなかでも語られているが、高校2年の時に半月近く家出をしたことがあり、それ以来保健室登校をするようになる。高校の単位がギリギリで、本人含め周囲の人間も留年すると思っていたが、3月いっぱい補習をしてなんとか3年で高校を卒業できた。クラスメイトとは同時に卒業式に出られなかったが、校長室で一人だけの卒業式を行った。
[編集] 関連項目
[編集] 映画
- 檸檬のころ (2007年)
出演 榮倉奈々 、谷村美月 、柄本佑 、石田法嗣 、林直次郎 、浜崎貴司 監督 岩田ユキ
[編集] 外部リンク
- 告知板としま(本人ブログ)
- 作家の読書道55回;本人へのインタビュー