軽雪上車
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軽雪上車(けいせつじょうしゃ)は、陸上自衛隊の主に偵察部隊に配備されている雪上車である。当然の事ながら雪の降らない地方には配備されておらず、北海道や北陸地方などの日本海側にある駐屯地で目にする事が出来る。
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[編集] 特徴
基本的に市販のスノーモービルである。最大の違いは車体後部にキャリアが追加されている点で、キャリアにはスコップ・無線機・予備燃料・スキー板などの携行品が約40kg搭載されている。
[編集] 初代
この装備が登場したのは1986年度で、この時のベースとなった民生品はヤマハ発動機のS340であり、当時はまだリコイルスターターであった。しかしながら自衛隊の偵察用として細かい改造が加えられ、実力は十分であった。
[編集] 2代
2代は1997年度から登場した。ベース車はヤマハ発動機のET410TRである。最大の変更点は、リコイルスターターにセルスターターが追加され、一発始動が可能となった事である。更に、初代では前進しかなかったギアに後進用が追加された。他にも様々な変更点が追加されており、戦闘に巻き込まれた際の生存率が高まっている。
[編集] 3代
現在のベース車はヤマハ発動機のVK540Ⅲである。変更点としてギアの前進側が2段となった事、トラック幅が381mmから508mmと拡大された。これにより新深雪での走破性が格段に向上した。
[編集] 諸元
- 全長:3125mm
- 全幅:1140mm
- 全高:1350mm
- 全備重量:365kg
- 最大積載量:160kg
- 乗員:2名(普通は1名だが、2名乗車可能)
- エンジン:空冷2サイクル535cm3・ガソリンエンジン
- 製作:ヤマハ発動機