遠い海から来たCOO
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『遠い海から来たCOO 』(とおいうみからきたクー)は景山民夫による小説。第99回直木賞受賞作品。1988年刊行。
目次 |
[編集] あらすじ
南太平洋、フィジー諸島のひとつ「パゴパゴ島」が主な舞台。 パゴパゴ島のトンベラ酋長の許可をもらい、日本から移り住んだ海洋学者・小畑徹郎とその息子洋介(12歳)が 嵐の明くる朝、珊瑚の砂地で50センチほどの生物を発見し、(徹郎の)研究室に持ち帰る。 少年・洋介は、その生物に「クー(COO)」と名付ける。 (数日後、生物は6500万年以上前に生きていた、水棲爬虫類プレシオサウルス(又は、プレシオザウルス)と気づく)
同じくして、クーを生んだ母親のプレシオサウルスの遺骸が別の小島に漂着し、事件は始まっていく。 自然と人間、親子と恐竜、核実験の陰謀が取り巻く奥深い物語である。
[編集] 概要
- 美しい自然と親子のふれあいを通して少年の成長を書く。同時に大国の核実験などに絡む冒険小説的な要素を併せ持った作品。
映画作品として初めて知った人も多く、景山民夫作であることや直木賞受賞作であることは知らないが映画で見たため内容は知っているという場合も多い。
- 1993年、日本テレビ開局40周年記念作品としてアニメーション映画化され、また、前田真宏により漫画化している。
- 同じく1993年に公開された映画にはREX 恐竜物語がある。その他にも当時、少年・少女と恐竜のふれあいを描いた作品が多数発表された。
- 少年と首長竜という構図など多くの点で大長編ドラえもんのび太の恐竜と酷似しているため、本作はのび太の恐竜を剽窃したものであるという批判も一部ある。
[編集] アニメーション映画概要
Coo/遠い海から来たクー 1993年制作 ロードショー:12月11日より
スタッフ
- 監督:今沢哲男
- プロデューサー:鈴木徹、久岡敬史
- 原作:景山民夫
- 脚本:岡本喜八
- 企画:田宮武
- 作画監督:大倉雅彦
- 撮影:細田民男
- キャラクターデザイン:大倉雅彦
- 音楽:ニック・ウッド
- 美術:山本二三
- 編集:花井正明
- 録音:本田保則
キャスト(声優)
主題歌 「ずっとそばに」
メインテーマ 「CHILDREN OF THE WORLD」
[編集] アニメーション制作概要
- 1991年初冬 :制作がスタート。製作会社(東映動画)と各監督(今沢氏、大倉氏、山本氏)が決定。
- 恵比寿にある原作者・景山民夫の事務所で、原作者である景山氏と今沢監督との初打ち合わせ。制作を了承したと共に、景山紙が膨大に持つ銃器類の資料等協力を受ける。
- 1992年01月:今沢監督、大倉監督、山本監督、田宮氏は、ロケーションハンティングの為、フィジー諸島、タヒチへと赴く。
- 1992年春:シナリオが岡本喜八氏によって決定。以後から今沢監督は一人、絵コンテ作業に没頭する。(絵コンテ総数500枚以上)
- 1992年06月:キャラクター設定の打ち合わせ。(キャシーの設定が決まらず、一同憤慨する。)
- 1992年07月:煮詰まった末(仕切りなおす事も含め)、神奈川県三浦市のヨットハーバー、マリンパークへ出かける。
- その時見かけたヨットや、イルカのイメージの良い影響で以後のキャラクター、美術設定が無事進行する。また、同時期に作画(原画)がスタートする。
- 1992年11月:音楽と劇中音楽の打ち合わせ。
- 1992年12月:物語終盤の絵コンテについての打ち合わせの末、全ての絵コンテが仕上がる。
- 1993年01月:メインテーマに携わるニック・ウッドと打ち合わせ。
- 1993年02月:洋介役のオーディションを行うが、集まった20名の小中学生の中からは選ぶ事が出来ず失敗。
- 1993年05月:アフレコ2ヶ月前であったが、声優が決定せず。(制作陣は非常に焦る。)
- 1993年06月:期限ぎりぎりで、何とか役者が決定。(小畑洋介:山崎裕太、キャシー:山口智子)
- 1993年08月:アフレコ開始。(声優初心者の山崎裕太と山口智子は、2週間前からリハーサルに取り組む。)
- 1993年09月:主題歌が松任谷由実の「ずっとそばに」で決定。
- 1993年10月:発案から約二年をかけ、ついに初号が完成する。