部分集合
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部分集合 (ぶぶんしゅうごう) とは、ある大きな集合に対して、その一部分をなす集合である。数学的には、集合 P, Q が存在して、
- x ∈ P ⇒ x ∈ Q
なる関係が常に成り立つ時、集合 P を集合 Q の部分集合(または「Q は P を部分集合として含む」、「Q は P を包む」)と呼び、P ⊆ Q(または P ⊂ Q)と表す。
P ⊆ Q かつ P ≠ Q なるときには、集合 P を集合 Q の真部分集合と呼び、P ⊂ Q(上の P ⊂ Q の流儀では)と表す。部分集合は等しい集合同士でも関係が成り立つため、特に等しい集合を除いて議論を行う場合、真部分集合を用いる。
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[編集] 例
- P = {4,10}
- Q = {1,4,7,10,13}
- このとき、P ⊆ Q である。なおかつ P ≠ Q であるので P ⊂ Q ということもできる。
[編集] 定理
以下、P,Q,Rを集合、Sを全体集合とする。
- 空集合Φはすべての集合の部分集合である。
- P⊆P
- P⊆QかつQ⊆PならばP=Qであり、また逆も真である。
- P⊆QかつQ⊆RならばP⊆Rである。
- P⊆S
- P⊆P∪Q
- P⊆RかつQ⊆RならばP∪Q⊆R
- P∩Q⊆P
- R⊆PかつR⊆QならばR⊆P∩Q
- 以下は同値である。
- P⊆Q
- P∩Q=P
- P∪Q=Q
- P−Q=Φ
- Qの補集合⊆Pの補集合
[編集] 注意
Wikipedia では部分集合を P ⊆ Q とし、真部分集合であることを明示するときに P ⊂ Q を用いる(ご意見はノートへ)。