酸化カルシウム
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
酸化カルシウム(さんかかるしうむ)は化学式 CaO で表わされる化合物。慣用名として、 生石灰(せいせっかい)とも呼ばれる(消石灰(しょうせっかい)と区別するため「きせっかい」あるいは「なませっかい」とも言う人もいるが、いずれも誤称である)。炭酸カルシウムを900℃以上に加熱すると二酸化炭素を放出して生ずる。
いわゆる石灰「いしばい」というのは、本来は生石灰のことであったが、後に消石灰も指すようになった。 生とは英語の quick lime から来ている。quick とは狩りなどで捕まえた小動物がもがいて動くさまを表す語で、まさに「生きている」という意味である。昔の人は生石灰が水和するときの発熱を見て、生命力があると感じたのであろう。
水を加えると発熱し、数百℃にまで温まった後、水酸化カルシウム(慣用名 消石灰)を生成する。乾燥剤や、殺虫剤などに用いられる他、缶入の清酒や弁当を温めるために水と生石灰を袋詰し、紐を引くと両者が混合して発熱するようにしたものもある。
生石灰の2004年度日本国内生産量は 8,506,941t、消費量は 928,918t である。