酸素吸入
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酸素吸入(さんそきゅうにゅう)とは、空気よりも高濃度の酸素を人為的に吸入することである。医療や健康増進などの目的で行なわれる。
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[編集] 病院以外での酸素吸入
呼吸器疾患などの患者は、長期的に高濃度の酸素を吸入しなければいけないため、自宅で日常生活をしながら酸素を吸入する在宅酸素療法(home oxygen therapy 略称HOT)が行なわれている。また、外出中でも携帯装置で酸素を吸入することも行なわれている。なお、近年、健康目的で、酸素バーや自宅などで高濃度酸素を吸入することが流行している。
[編集] 方式
自宅・携帯用の酸素を出す装置には、以下のものがある。
- 酸素濃縮器
- ランニングコストはほぼ電気代のみであり(レンタルの場合はレンタル料も)、酸素ボンベと比較するとランニングコストが安い。電気代は機種によるが、ひと月に数千円程度である。自宅では高濃度型の酸素濃縮器、外出時は携帯用酸素ボトルを使用する例が一般的。
- 液体酸素容器
- 一般的には液体酸素が充填されている容器を「液酸容器」という。これは凍傷など各種の危険性が伴うため、家庭に設置する場合は許可や使用訓練が必要である。自宅には液酸容器、外出時は携帯用液酸容器を使用するか、あるいは携帯用酸素ボトルを使用するなどの例がある。電気代はほとんどかからない。
- 携帯用酸素ボトル(酸素瓶)
- 外出時に使用する、気体の酸素を充填している高圧容器である。日本では酸素ボトルのことを酸素ボンベと呼ぶ場合もある。なお携帯用酸素ボトルは、家庭で充填できる機器も存在する(インバーケア製)。
- 携帯用液体酸素容器
- 外出時に液体酸素を常圧で保冷して携帯するための容器である。携帯用酸素ボンベの大きさに比べて、小型かつ軽量な機種がほとんどで、携帯用酸素ボンベに比べて長時間の外出が可能である。
- 酸素発生器・酸素缶
- 連続使用するとすぐに発生が停止するため、常時使用はできないが、一時的に気分が悪くなった場合などに使用する。
いずれの容器、装置を使用する場合でも、火気厳禁(最低2m、できれば5m範囲)である。
[編集] 病院での酸素吸入
(未執筆)
[編集] 副作用
高濃度酸素を過度に吸入した場合、悪影響があるとの説もある。実際に、未熟児に対して高濃度酸素を投与した場合、未熟児網膜症という失明例が発生している。活性酸素を増やすため、場合によっては弊害もあるとの説もある。