金庫
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金庫(きんこ)とは、金銭や証書や貴重品を収納する用具である。
治安の悪化により、家庭でも大きな金庫を購入する例が増えている。
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[編集] 目的による分類
[編集] 耐火金庫
主に火災で紙幣や書類やデータディスクが焼失するのを防止する目的の金庫。盗難防止性能もある程度はあるが、あまり高くない。一般的なものでは、本体の主材はコンクリートであり、それに水が含まれている。火災時にはその水が蒸発し、気化冷却で内部の温度を低く維持する。
標準品は紙幣や書類の焼失防止には役立つが、内部はかなり高温になる上、コンクリートからの水分の蒸発により多湿になるため、データディスクの内容が消失したり、各種フィルム類が損傷したりすることもある。このため、内部の温度上昇などを抑えているデータメディア対応耐火金庫もある。
手提げ可能な製品も存在する。
[編集] 防盗金庫
主に盗難防止を目的とした金庫。非常に重量があり、開錠も手間が掛かるようになっている。なお、日本では防盗金庫という名前で販売されている製品は全て耐火性能もある。
[編集] 貸金庫
貸金庫を参照。
[編集] ロック方式による分類
[編集] ダイヤル式
扉についているダイヤルを左右に数回回転させ、内部の構造を開錠位置に合わせる。暗証番号の変更はできないことが多い。
[編集] テンキー式
主にマイコンによって作動し、暗証番号を入力すると開錠するようになっている。大部分の製品では暗証番号を変えられる。あまり頻繁に番号を変えると覚えにくい。
一部の製品では電池ボックスが扉の内側にあるため、電池が切れた場合はメーカーを呼ばないと開錠できない。2003年3月、秋田県立雄物川高等学校で、入学試験問題を保管している金庫の電池が切れたために試験問題を取り出せなくなり、業者の手によって破壊されて開けられ、試験開始が20分遅れるという事件があった。
長く使っていると、よく押す数字のボタンに指の跡が付いたり刻印が磨り減ったりして、暗証番号を推測されてしまう場合もある。
[編集] 金庫の固定
据え置き型金庫では、床にボルトで固定できる場合もある。床に固定すると、軽い金庫であってもなかなか持ち去れない。泥棒があきらめる決め手となる場合も多い。
[編集] 金融機関の名称
金融機関の一種として金庫を称するものもある。