雍ガイ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』
この項目の本来の表記は「雍闓」です。一部の日本語環境で表示できない文字があるため、仮名・略字または代用文字を用いています。
雍闓（ようがい、生年不詳 －224年）は、三国時代の蜀漢に反乱を起こした現地の豪族。三国志の蜀書『呂凱伝』によると、彼は前漢の功臣だが劉邦挙兵時より邪魔をし続け劉邦から殺したいほど憎まれていた什方侯雍歯の末裔といわれている。（また劉備の帝位に猛反対して逆鱗に触れた劉備に誅殺された主簿の雍茂は彼の遠縁らしい）
益州南部を支配する豪族の一人で、劉璋の頃から勢力を振るっていた。劉備の死後、呉と通じて蜀漢に対して反乱を起こした。この時、蜀の益州太守（永昌太守との説もある）の張裔を捕らえて孫権に送り、その行賞として永昌太守の地位を拝命した。蜀漢の李厳が彼を説得しようとしたが、雍闓（ようがい）は横柄な態度を取り｢正統王朝でもない蜀漢にわれらは聴く耳は持たんし、決して屈せんぞ！帰れ、帰れ！｣と罵るだけ全く応じなかったといわれている。
このため、蜀漢の諸葛亮率いる討伐軍がやって来たが、雍闓は討伐軍が来る前に、些細なことから揉め事を起こした越嶲郡のタイ族系異民族の酋長の高定（または高定元とも）の部下に殺害されてしまった。三国志演義では、高定の部下・顎煥に斬り殺されているが、正史では顎煥は記述が無いので、誰に殺されたかは未だにわかっていない。
