雑食
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雑食(ざっしょく)とは、人間ないしは動物が他の動物の肉、植物双方を食べること。
[編集] 野生動物の雑食
基本的に、草食は肉食より難しい。組織が硬い上に、分解困難な成分が多いためである。逆に、自然界での現存量では、圧倒的に植物が多い。
日本の大型哺乳類では、純粋の肉食のものはほとんどいない。タヌキ、テンは果実をかなり喰う。クマは肉食動物の系統であるが、それほど肉に頼っていない。逆に草食動物では、イノシシはミミズやサンショウウオが大好物である。
日本のような狭い国土では、純粋に肉食の生活を維持するのは困難なわけだろうが、そのような場合、肉食性の動物が植物性の餌とする対象は、まず果実である。果実は、種子運搬の代償として植物の方から提供している面があり、植物組織の中ではとりわけ消化しやすい。つまり、肉食動物のような、草食動物としての適応をもたないものでも利用可能である。したがって、これを取ることで雑食生活をするものが多い。
[編集] 人間にかかわる雑食
ベジタリアンを除くと人間は基本的に雑食である。また、人間と一緒に生活するペットであるイヌやネコは、家畜となる以前の形態においては肉食であったと思われるが、人間と生活するようになると、人間が食べるものと同じものを食べるようになり、雑食になったと思われる。逆にウシなどの人間に食べられる事を前提とした家畜は、商品価値を高めるために栄養上の都合によって、肉骨粉などを食べさせられている。これも雑食という事になる。これも人間の都合によって食べるものが変わった例と言えるだろう。