サンショウウオ
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サンショウウオ亜目 Cryptobranchoidea |
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サンショウウオ(山椒魚)とは、両生綱・有尾目(サンショウウオ目)・サンショウウオ亜目に属する動物の総称。
目次 |
[編集] 特徴
一般に名前が知られているのは全長50cm~150cmと世界最大の両生類の一つであるオオサンショウウオだが、他の種類は20cm以下と小型である。日本産のサンショウウオでオオサンショウウオの次に大きいのは、体長20cmほどになるオオダイガハラサンショウウオである。
他の両生類と同じように、皮ふにはうろこがなく粘膜におおわれる。呼吸の大半を皮ふ呼吸に頼っていて、皮ふが湿っていないと生存できない。渓流に生息するハコネサンショウウオは肺を持っていない。また、前足は4本、後足は5本の指を持つ。キタサンショウウオ属のキタサンショウウオだけは後肢の指は4本。
春になると水辺に集まって産卵行動をおこなう種類が多い。アベサンショウウオなどは12月ぐらいから雪の上を歩いて繁殖場に移動する場合もある。イモリなどのイモリ亜目はメスが体内に精子を取り込み産卵時に受精させる体内受精を行うが、サンショウウオ亜目は産卵後にオスが放精する体外受精によって受精する。産卵場所は種類によって異なり、流れのない止水に産卵するものと、渓流の流れの弱い場所や伏流水中に産卵するものに大別できる。オオサンショウウオは数珠状につながった寒天質に包まれた多数の卵を産むが、他の小型のサンショウウオの卵は数cm~10cm程度のバナナ状やコイル状の寒天質のさやに包んで産み、1つのさやにつき数個~数十個の卵が入っている。
孵化した幼生にはアホロートルのような外鰓(がいさい)があるが、外見は種類によって異なる。
- 止水で育つ種類の幼生はからだの断面が丸く、足に爪がない。外鰓と別に「バランサー」という突起をもつ。
- 流水で育つ種類の幼生はからだの断面が上下に平たく、足に爪がある。バランサーはない。
幼生は水中で小動物を食べて成長するが、口に入る動物ならなんでも食べるため、共食いすることもある。孵化した当初は足も生えていないが、しばらくすると足が生え外鰓が消えて変態して幼体となり成体となる。
オオサンショウウオは繁殖期に川を遡上するとき以外はほとんど水中から出ることはないが、他の種類は陸上生活を送ることが多く、森林の落ち葉の下やモグラやネズミが掘った穴の中や、川近くの石の下などに生息する。繁殖期以外はあまり人の目にはふれることはない。
[編集] 文化
- 『山椒魚』 - 井伏鱒二の短編小説。
- 欧名の「サラマンダー」は、火の中に住む精霊サラマンダー(火トカゲ)を意味する。火トカゲとしてのサラマンダーのイメージは、ある種のイモリの特徴である鮮やかな赤色の腹面からきたものとする説、倒木などの薪の中に潜りこんだものが暖炉にくめられた時に這い出てくることから、火の中から生まれると考えられていたことに由来するとする説などがある。
[編集] おもな種類(日本産)
乾燥に弱く、動きも遅い動物で、他の地方の個体との交雑がおこりにくい。そのため地方ごとに独自の種類が分布している。開発などで種の存在がおびやかされやすく、絶滅が危惧されている種類や地域個体群も多い。
[編集] サンショウウオ科 Hynobiidae
サンショウウオ属 Hynobius
- アベサンショウウオ Hynobius abei 種の保存法で種として採集・飼育禁止。
- エゾサンショウウオ Hynobius retardatus
- オオイタサンショウウオ Hynobius dunni
- オオダイガハラサンショウウオ Hynobius boulengeri 奈良県、三重県で天然記念物指定で採集禁止。
- オキサンショウウオ Hynobius okiensis
- (オワリサンショウウオ) Hynobius sp. かつてトウキョウサンショウウオ Hynobius tokyoensisの名古屋周辺個体群をそう呼んで別種扱いしたことがあるが、近年カスミサンショウウオ Hynobius nebulosus と分かった。
- カスミサンショウウオ Hynobius nebulosus
- クロサンショウウオ Hynobius nigrescens
- ツシマサンショウウオ Hynobius tsuensis
- トウキョウサンショウウオ Hynobius tokyoensis
- トウホクサンショウウオ Hynobius lichenatus
- ハクバサンショウウオ Hynobius hidamontanus 長野県白馬村で天然記念物指定で採集禁止。
- ヒダサンショウウオ Hynobius kimurae
- ブチサンショウウオ Hynobius naevius
- ベッコウサンショウウオ Hynobius stejnegeri 熊本県で天然記念物指定で採集禁止。鹿児島県と宮崎県で指定希少野生動植物指定になったため事実上種として採集禁止になった。
- ホクリクサンショウウオ Hynobius takedai
- ヤマサンショウウオ Hynobius tenuis
キタサンショウウオ属 Salamandrella
- キタサンショウウオ Salamandrella keyserlingii
ハコネサンショウウオ属 Onychodactylus
- ハコネサンショウウオ Onychodactylus japonicus
[編集] オオサンショウウオ科 Cryptobranchidae
オオサンショウウオ属 Andrias