非アルコール性脂肪性肝炎
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非アルコール性脂肪性肝炎(ひ - せいしぼうせいかんえん、Non-alcoholic steatohepatitis; NASH)とは、肝臓に脂肪が蓄積することで起こる肝炎。
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[編集] 病態
飲酒がないにもかかわらずアルコール性肝障害に類似した進展を示す症例があることから報告された疾患である。発生に至る機序はまだはっきりとはわかっていないが、脂肪肝に加え、肝臓に何らかのストレスがかかることによって発生するのではないかと考えられている。ストレスは具体的には活性酸素による酸化ストレス、インスリン抵抗性、サイトカインの放出などがある。近年メタボリックシンドロームの増加により、NASHへの注目も高まっている。
[編集] 症状
自覚症状はほとんどない。検査で発覚することがほとんどである。
[編集] 検査
- 生化学検査
- 肝細胞への脂肪沈着、中心静脈周囲の細胞の線維化、肝細胞周囲性線維化など。
[編集] 診断
アルコール性肝障害との鑑別が最も重要となる。アルコール性肝障害ではAST/ALT比が1.0以上となることと、問診によってアルコール摂取量を把握することで鑑別する。
[編集] 治療
食生活の改善と運動療法が基本。肝臓病に対する薬が投与されることもある。
[編集] 予後
肝炎から肝硬変、肝細胞癌へと進展することがあるため、肝機能を検査して常に確認しておくことが肝要である。
[編集] 診療科
- 消化器内科