飯高寺
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飯高寺(はんこうじ)は、千葉県匝瑳市飯高1789(いいだか)にある寺院である。
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[編集] 概要
飯高寺は、1560年(天正8年)に開設され、1874年(明治7年)まで名僧を輩出した日蓮宗の最古で最高位の檀林。1560年の飯高檀林開設以降、関東八大檀林、関西六大檀林へと発展し全国に諸檀林ができて、1872年(明治5年)の「学制」発布により同7年に廃檀となり、294年間の歴史を閉じることになる。その後、日蓮宗大学にその役割を譲り、現在の立正大学と至り、そのため、立正大学発祥の碑が建てられている。また、同県成田市三里塚の地名の由来の基点にもなっている。そのほかにも、この周辺にはいくつかの神社や寺院、黄門桜などがある。最近までは歴史的建造物を保存するために、本堂の改修工事が行われていた。
ちなみに、檀林とは栴檀林の略語で僧侶の集まりを栴檀の林にたとえた、つまり寺院の尊称であるとともに仏教の学問所を意味する。
[編集] 歴史
1560年 飯高檀林を開設
1651年 講堂が火災に遭い再建
1872年 学制配布により廃檀
1980年 講堂・鐘楼・鼓楼・総門が重要文化財(国指定)、檀林跡としては境内全体が県指定史跡になった
[編集] 文化財
- 飯高寺
- 講堂1棟 桁行26.7m、梁間18.2m、一重、入母屋造、とち葺(慶安4年)
- 附指定 棟札2枚
- 鐘楼1棟 桁行一間、梁間一間、一重、入母屋造、こけら葺(承応3年以前)
- 鼓楼1棟 桁行一間、梁間一間、袴腰付、入母屋造、茅葺(享保5年)
- 総門1棟 高麗門、銅板葺(延宝8年)
[編集] 飯高檀林での修学課程
檀林とは今でいうと大学である。
- 名目部
- 四教学部
- 集解部
- 観心部
- 玄義部
- 文句部
- 止観部
- 御書科
以上8課程で名目部から入学して、36年間の期間をかけて全課程を修了する。
[編集] 別名
飯高檀林(いいだかだんりん)
注意:飯高寺と飯高檀林の飯高の読み方が違うの間違えないでほしい。
[編集] 主な行事
- 小高はだか祭り(1月成人式の前日)
- 檀林コンサート
[編集] 花
- 牡丹
2003年(平成15年)の秋に講堂の裏庭に500株が植えられていて、4月頃になると花が咲いて見頃を迎える。
- 春は上記で記述した牡丹やコブシ、山桜、エゴノキなどが開花する。
- 秋はコナラ、クヌギが紅葉を迎える。
- ここでは、貴重な常緑広葉樹の巨樹であるスダジイなどが多く残っていて、森林に囲まれているため比較的に静かな場所である。
[編集] 周辺の交通アクセス
- 主な道路(方角は飯高寺を基準にしたとき)
- 千葉県道16号佐原八日市場線(西側)
- 千葉県道74多古豊里線(北側)
- 東総広域農道(南側);飯高檀林という小さな道路案内標識があるので、ここから入っていく。
※地図やカーナビを持っているとわかりやすい。
最寄り駅としては相当距離はある。また、県道16号沿いにバスが走っているのでバス停を探して八日市場駅行のバスに乗れば早く到着する。