魔法のアイドルパステルユーミ
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魔法のアイドルパステルユーミ(まほうのアイドルパステルユーミ)はスタジオぴえろ作、日本テレビ系列(NNN・NNS)で放映されたテレビアニメ。1986年3月7日から1986年8月29日まで、全25話が放映された。
ぴえろ魔法少女シリーズ | ||
通番 | 題名 | 放映期間 |
第3作 | 魔法のスター マジカルエミ |
1985年6月 ~1986年2月 |
第4作 | 魔法のアイドル パステルユーミ |
1986年3月 ~1986年8月 |
第5作 | 魔法のステージ ファンシーララ |
1998年4月 ~1998年9月 |
目次 |
[編集] 概要
『魔法の天使クリィミーマミ』、『魔法の妖精ペルシャ』、『魔法のスターマジカルエミ』に続く「ぴえろ魔法少女シリーズ」の第4作。
花と絵が大好きな少女・花園ユーミが花の妖精と出会い、描いたものを実体化させる魔法のステッキを授かり、その力で様々な活躍をする、というお話。
本作品も完全なオリジナル企画であり、原作は存在しない。前作(『マジカルエミ』)が人物描写に重きを置くあまり魔法の要素が希薄化していった事から、本作では大幅な方針転換が行われた。主人公は変身せず、魔法を使う事の楽しさに重点が置かれ、また主人公に対立するキャラクターも設けられた。
シリーズ4作目で最もオーソドックスな魔法少女アニメとして製作されたが、主人公がシリーズ中最も幼く、恋愛という展開を描くに至らず、また精神的に成長しなかった。現実離れしているといわれたストーリーは少女向けアニメとしては決して間違ってはいなかったのだが、前3作のファンが制作側の想定より高年齢であったためかあまり受け容れられず、全25話というシリーズ中最小の話数をもってニュース番組に時間帯を譲ることになった。そのため、魔法少女シリーズ第5弾となるはずだった『魔法のデザイナー ファッションララ』はTVアニメ化が見送られ、お蔵入りという形になってしまった。更に主人公の声と主題歌を担当したアイドル歌手が放送終了の3年後に急逝(留学先で事故死)したという事情もあり、他のシリーズ作品と比べて語られる事が少なくなっていった。
スタジオぴえろ(現・ぴえろ)は、本作品が終了した後も新たな魔法少女作品の模索を続けたが、『マミ』~『エミ』で築いた世界観から逸脱する作品展開がファンにはあまり受け容れられず(OVA『魔女っ子クラブ4人組 A空間からのエイリアンX』における過剰な拒絶反応はその象徴といえる)、完全に行き詰まってしまった。以降、新たな企画がアニメ化されるまで10年以上もの歳月が流れることになった。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
[編集] ストーリー
主人公・花園ユーミは、花と絵が大好きな10歳の少女。ある日ユーミは、花の妖精かき丸・ケシ丸に出会う。花の国では、毎年春に花を愛する子供に魔法を贈る習慣があり、ユーミはかき丸・ケシ丸に魔法のステッキを授かる。ユーミはこの魔法の力で、自分の描いた絵を現実化させ、様々な活躍をする。
[編集] 魔法
効果は描いたものが一定時間だけ実体化する事である。魔法のスティックを使ってイメージしたものを空間に描き、最後に呪文を唱える事によって描いたものが実体化する。そして胸のペンダントが点滅を始めると実体化させたものは30秒後に消滅する(消滅のプロセスは省略される事もある)。
描く事そのものに制約はないが、一度描いたものは二度と実体化させる事ができない。
前3作品と異なり変身はできない。
[編集] スタッフ
- 制作:布川ゆうじ
- プロデューサー:堀越徹(日本テレビ)、大野実(読売広告社)、鈴木義瀧(スタジオぴえろ)
- 制作担当:鈴木重裕
- 監督:鴫野彰
- 脚本:立花あずま、石川良、岡部俊夫、小西川博、三宅直子、丸尾みほ、荒木芳久、菅良幸、石川博、久島一仁、静谷伊佐夫
- 演出:鴫野彰、香川豊、吉田浩、山崎友正、片山一良、本郷満、立場良
- コンテ:鴫野彰、香川豊、吉田浩、片山一良、岩田六、立場良、森脇真琴、本郷満
- キャラクターデザイン:洞沢由美子、本山浩司
- 作画監督:洞沢由美子、伊達真紅郎、上条修、下田正美、高倉佳彦、工藤征輝、高岡希一、岸義之、加藤鏡子、柳沢まさひで、きくちみちたか、青嶋克己、垣野内成美
- 美術設定:佐藤正浩
- 美術監督:三浦智
- 撮影監督:森口洋輔
- 音響監督:藤山房延
- 音楽:馬飼野康二
- 調整:松沢清、久保田清
- 編集:森田編集室
- 効果:佐々木純一
- 録音:新坂録音
- 制作デスク:朴谷直治
- 文芸・設定進行:静谷伊佐夫
- 製作:スタジオぴえろ
[編集] キャスト
- 花園ユーミ:志賀真理子
- かき丸:富永みーな(現・冨永み~な)
- ケシ丸:渕崎ゆり子
- 三沢恭平:水島裕
- 三沢健太:坂本千夏
- 花園一郎:安原義人
- 花園桃子:三田ゆう子
- 袋小路夫人:丸山裕子
- 国光三郎:千葉繁
- 花園ダン吉:富山敬
- ムスタキ:亀山助清 ほか
[編集] 主題歌
- 『金のリボンでRockして』(オープニング)
- 『フリージアの少年』(エンディング)
作詞:麻生圭子/作曲・編曲:山川恵津子/歌:志賀真理子
[編集] サブタイトル
- 街は魔法で花ざかり
- 魔法のステキな使い方
- よろしく冒険ガール
- おじいちゃん冒険旅行(アドベンチャー)
- 紙ヒコーキからの伝言(メッセージ)
- ふたりの袋小路さん
- 涙のダイエット日記
- もう一度ロマンス
- とべ 愛の翼でスカイハイ
- いたずらオバケに御用心
- ふしぎ? 黄金鳥伝説
- お嬢様はつらいよ
- おまかせキューピット
- 想い出に消えたかき丸
- 妖精がくれた音楽会
- すみれ色の初恋
- ユーミちゃん気をつけて
- 発車ベルが鳴るまで
- 花ビラのステップ
- 花を愛してみませんか?
- はばたけ空へ 風をうけて
- 恋のミスキャスト
- 家出したお父さん
- さよならフラワータウン
- 忘れないでメモリー
[編集] OVA
『魔女っ子クラブ4人組 A空間からのエイリアンX』 (製作:1987年)
『マミ』~『ユーミ』までのヒロイン4人が一堂に会し、特別に与えられた魔法を使って変身し、地球を侵略するエイリアンと月面で激しい戦いを繰り広げるという話。テーマや主張は特になく、同窓会的なノリの単純明快な「娯楽作品」に過ぎなかったのだが、特に『マミ』や『エミ』の作品世界に心酔する熱狂的な一部のファンを中心に、これまで構築してきた作品世界を崩壊させるような行為と猛烈な反発が起きた。加えて本作の公式ムックとして出版された『魔女っ子倶楽部』(バンダイB-CLUB SPECIAL 10、1987年10月15日発行)に於いて、各TVシリーズに携わったスタッフやOVAの製作に直接関与したアニメーターまでもが、内容に対する批判を展開するという異例の事態に発展した。シリーズは本作の翌年に製作されたOVA『魔法のステージ ファンシーララ ハーバーライト物語』を以て中断に追い込まれ、次の企画(『魔法のステージ ファンシーララ』)がTVアニメ化されるまで10年の歳月を必要とする事になった。
[編集] 放送(配信)サイト
- ShowTime(有料)
[編集] 関連書籍
[編集] コミック
『魔法のアイドル パステルユーミ』(あらいきよこ著、小学館フラワーコミックス、全2巻)
- 第1巻 昭和61(1986)年9月20日初版 本編第1~第4話、短編1作を含む
- 第2巻 昭和61(1986)年12月20日初版 本編第5~第8話・番外編、短編1作を含む
(掲載期間)
- 本編第1~第3話、及び第5~第8話……『ちゃお』昭和61年4月号~11月号(第3話のみ2ヶ月掲載)
- 本編第4話……『ちゃおマイラブ』昭和61年盛夏号
- 番外編……『ちゃおマイラブ』昭和61年初夏の号
- アニメと連動したコミック化で、原作ではない。前作の『マジカルエミ』に引き続いて漫画家・あらいきよこが担当した。基本設定はアニメと同じだが、前作同様にストーリーはほぼオリジナルである。ただし、袋小路夫人ほとんど登場せず、その代わりにオリジナルキャラとして、夫人のめいでユーミと健太のクラスにやってきた転校生の北泉麻里香を交えて展開した。また魔法を自分勝手に使う事は妖精から固く禁じられているなど、細部には相違がある。
- ユーミと健太の年齢設定が変更されている(アニメでは10歳だが、コミックは14歳に)。これにより、恭平との年齢差が縮まりバランスが良くなった。
- 総じて現実離れした話が多かったアニメに比べて、本作のユーミは設定よりも内面が深く、ストーリーも魔法の使用を制限した分、地に足がついたものが多くなった。最後もユーミの幸福な未来を暗示させる形で終了している。
[編集] 外部リンク
日本テレビ 金曜18:00~18:30 | ||
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前番組 | 魔法のアイドルパステルユーミ | 次番組 |
魔法のスターマジカルエミ | NNNライブオンネットワーク (18:00~18:55へ変更) |
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