黒鉄
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『黒鉄』(くろがね)は、漫画家冬目景によって1997年から雑誌「週刊モーニング」に連載された漫画作品。(現在休載中)単行本は、現在第五巻まで刊行。
目次 |
[編集] 概要
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
[編集] あらすじ
少年・迅鉄は、父親の敵討ちに端を発した様々な因果から、子供でありながらお尋ね者の渡世人[1]となってしまい「人斬り迅鉄(じんてつ)」とまで恐れられたが、ある夜追っ手と相打ち死亡した‥‥はずだったが、その死体は、天才蘭学者源吉に拾われ、身体の半分をカラクリ仕掛けのサイボーグに改造され蘇生させられる。が、源吉の目的は迅鉄を利用してさる藩の重役に復讐をする事であった。結果、源吉は復讐を遂げるが死亡。以降、迅鉄は相棒の意思を持つ刀『銘刀・鋼丸』と共に各地を放浪することとなる。
[編集] 登場人物
[編集] 主要人物
- 鋼の迅鉄(はがねのじんてつ)
- 主人公。子供ながら(13~15歳くらい)凄腕で知られる渡世人。顔は鉄仮面で見えるのは左目のみ。右目は無く右目を隠すように布を額に巻いている。さらに腰に西洋のガンベルトを巻き、そこに長脇差(鋼丸)を指して靴を履いている変わった出で立ち。普段はその上に合羽を着て三度笠[2]をかぶり、相棒の鋼丸とともに各地を放浪している。手裏剣の代わりに歯車を投げる。
- 元々、絹里という町の職人の息子で、父親の敵討ちから役人を斬り更に追っ手を斬るうちに、いつのまにか子供ながら『人斬り迅鉄』の異名を持つお尋ね者の渡世人となってしまったが、賞金稼ぎ「犬追いの三太」の手にかかり死んだ所を蘭学者・源吉に拾われ、身体の半分を様々な武器仕込みのカラクリ仕掛けに改造され蘇生させられた。(この設定は物語の進行とともに徐々に変わっており、連載一回目では、迅鉄の身体で人として残っているのは、左目と右腕のみであることが語られた上、ハッキリと描写されていたが、いつの間にか人の部分が増えていっている。連載当初は食事することも出来なかった。)源吉が死亡した為、声帯を作ってもらえず話すことが出来ない。
- 銘刀・鋼丸(銘刀・はがねまる)
- 迅鉄の相棒兼愛刀。元人間で武士だったが、親の敵討ちの際死んだところを迅鉄同様、源吉にカラクリ仕掛けの刀へと改造された。柄の部分に目を持ち、迅鉄が近くにいる時だけ話すことが出来る。死亡した時に使えるパーツとして残っていたのは眼と脳だけで、脳は同じ時期に死に共に改造された迅鉄の頭の中にある。ゆえに二人は互いに考えていることが大体分かり、夢も共有する。普段は声帯を持たず話すことが出来ない迅鉄の口の代わりを務める。生きていた時の本名は藤波鋼丸(ふじなみ はがねまる)で、響(おと)という名の許婚がいた。
- 紅雀の丹(べにすずめのまこと)
- 貸元・赤ぎ一家の娘。常に男装をしており、臙脂色の合羽に房の付いた三度笠がトレードマーク。現在のところ迅鉄と鋼丸の正体を知る唯一の人物。迅鉄には劣るもののかなり腕が立ち、迅鉄を仇と狙い後を付いて歩いていた。しかし幾度も刃を交えたり、またある時は協力し合っていく内に、純粋に剣士として迅鉄に勝つ事を望むようになる。
- 朱女(あやめ)
- 各地の賭場でイカサマ壺振りをしながら、流れ歩く生活している女。元大店の娘だが、悪い高利貸しの借金で一家離散。壺振りの境遇にまで堕ちたがその生活も性に合うということで性格は明るい。迅鉄の知り合い。
[編集] 渡世人
- 火渡りの錬司(ひわたりのれんじ)
- 渡世人で、迅鉄とは昔からの知り合い。顔の右半分にかなり大きな痣を持つ。紅雀の丹に「おとう」と呼ばれる人物で、腕が立ったが、卑怯な手に掛かり死亡。
- 蓮角の氷鋭(れんかくのひょうえ)
- ナイフ大の小さな二刀を武器とする渡世人。体躯に恵まれず、速さを武器にこの世界を生き歩いている。
[編集] その他
- 源吉(げんきち)
- 浪人だが、天才的な技術を持って知られた蘭学者。恋人を殺した奉行への復讐の為、迅鉄や鋼丸を作った。本懐は遂げるものの、部下に即座に切り捨てられ死亡する。
- お月
- 迅鉄の幼馴染。ずっと迅鉄を想っていた。
- 麻紅(まこう)
- 名前の本当の読みは、「マーフォン」でどうやら日本人では無い模様。様々な悪事に加担している怪しい女。
- 古河小宵(こが さよい)
- 渡世人・千羽(せんば)一家の頭、千羽の新次郎の娘で、「双刃新顕流」(そうはしんけんりゅう)の古河家へ養女として引き取られた。実父の仇を名目に道場を出て自由の身となる(渡世人になる)。名目とはいえ当初は仇である迅鉄を討とうしており、その腕前は丹、迅鉄と連戦しても難なく勝利する程。
- 風嶽(ふがく)
- 古河家の使用人。小宵が唯一心を開いている男で、常に付き従っている。常に冷静沈着で、感情的になりやすい小宵のブレーキ役でもある。
[編集] 単行本
- 1巻(1996年)(ISBN 4-06-338007-6)
- 2巻(1996年)(ISBN 4-06-338010-6)
- 3巻(1998年)(ISBN 4-06-338015-7)
- 4巻(1999年)(ISBN 4-06-338017-3)
- 5巻(2001年)(ISBN 4-06-338022-X)
[編集] 脚注
- ^ ヤクザ・任侠・ばくち打ち
- ^ 菅笠の種類の一つ。平たい笠でふちが普通の笠に比べ、顔が隠れる位深めに折れている(といっても眼の上くらいまでだが)。江戸期、三度飛脚といわれた江戸と大阪・京都間を一ヶ月間に三度行き来していた飛脚が被っていたことから由来する。
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