G戦場ヘヴンズドア
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『G戦場ヘヴンズドア』(じーせんじょうへぶんずどあ)は日本橋ヨヲコの漫画作品。月刊IKKI(小学館)で2000年11月から2003年6月まで連載された。全18話。現代日本の高校生を描いた青年漫画。商業漫画の世界を戦場に喩え、そこでともに戦う戦友の関係をテーマとして、漫画家の父を持つ青年と、編集者の父を持つ青年の葛藤、成長を中心に描く。
NHK-FMで放送されているNHKオーディオドラマで2005年3月にラジオドラマ化された。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
[編集] 登場人物
- 堺田町蔵 (さかいだ まちぞう)
- 本作の主人公の一人。小説家志望の高校生。人気漫画家坂井大蔵の実子。
- 母親が出て行ったときに、漫画を描くことを優先して母を止めなかった父を恨んでおり、父親の作品を素直に読むことができないでいる。父親の漫画が売れているのは商業主義の主張のない漫画を描いているからだと考えており、坂井大蔵の漫画を誉めるものを軽蔑する。
- 坂井大蔵を誉める長谷川鉄男に腹を立て、彼の描いた漫画を破いたことで自作の小説を鉄男に読まれることになる。それをきっかけとして鉄男に請われ、少年ファイト新人漫画大賞へ投稿する漫画の原作を書く。
- 余談だが、作者の次回作『少女ファイト』にも間接的ではあるが登場する。町田都の例(下記)のように、日本橋作品ではよく見られる傾向である。
- 長谷川鉄男 (はせがわ てつお)
- 本作の主人公の一人。天才的な漫画の才能を持つ。敏腕編集者阿久田鉄人の実子。
- 幼少の頃、離婚して出て行った父親に見せるために描いた漫画を母親に否定され、漫画をやめることを決意し、川に原稿を流しているときに坂井大蔵と会う。
- 母親に否定されたときにすべてのモチベーションを失い、以来漫画を書くことをやめていたが、少年ファイト新人漫画大賞の募集要項にある賞金の額を見て、母親の治療費を稼ぐために本格的に漫画を描くことを決意する。しかし、失ったモチベーションが戻ってくることがなく、空虚な自分を抱えている。その空虚さを埋めてくれる町蔵と、漫画を描きたいと熱望する。
- 菅原久美子 (すがわら くみこ)
- 鉄男の幼なじみ。土地の名士である菅原家の娘。
- 鉄男に心底惚れており、鉄男を傷つけるものは誰であれ容赦しない。一例として、小学校の時に鉄男が描いた漫画を破り捨てた担任教師に芋ケンピで襲いかかって大けがをさせたことがある(その後その芋けんぴを食べて証拠隠滅した)。
- 「鉄男を守る」と言う行動で鉄男の存在に甘え、自分の抱える寂しさを癒していた部分がある。また、好きだったバレーボールを手首の怪我であきらめざるを得なくなり、絶望して手首を切ったときも、態度を変えることなく迎えてくれた鉄男に精神的に救われている。
- しかし、鉄男と町蔵の関係が変化して行くにつれ、鉄男に自分が求められていないと感じ、抱えていた寂しさを癒せなくなっていく。
- 梨井裕美子 (なしい ゆみこ)
- 坂井大蔵の秘書で、元アシスタント。阿久田と坂井を大変慕っている。
- 町蔵は裕美子を大蔵の愛人だと考えているが、実はそのような関係はない。その誤解を利用して、町蔵と父親と比較したり、創作者としてのプライドを傷つけることで町蔵を試す。
- 坂井大蔵 (さかい だいぞう)
- 人気漫画家で、堺田町蔵の実父。本名堺田大蔵。数々のヒット作をもつ。子供の頃の鉄男が、自作の漫画原稿を川に流そうとしているところに出くわしたことがあり、彼の漫画に衝撃を覚える。筆を折ろうか悩んでいる時期だったが、鉄男に対するメッセージを発表するというモチベーションで漫画を続けることを選択した。
- 阿久田鉄人 (あくた てつひと)
- 高学館の敏腕編集者。少年ファイトの編集長を務める。長谷川鉄夫の実父。以前漫画家をしていたが、その才ゆえに体と精神を壊し、利き手の手首を切ってリタイアせざるを得なくなる。子供の頃の町蔵にあっており、「かすみ草が好きだ」という町蔵に漫画家になることを勧める。編集部内の政治闘争に負け、一時期少年ファイトの編集部を去っていた。復帰にあたり、坂井大蔵の人気作「俺達の挽歌」の打ち切りを決定し、再び坂井大蔵と組んで新連載を開始する。
- 猪熊宗一郎 (いのくま そういちろう)
- 第35回少年ファイト新人漫画大賞の受賞者の一人。準大賞を受賞する。漫画が好きでしょうが無いが、ストーリーテラーとしての才がないことを自覚している。そのこともあって、漫画の才能を持つ人間を守るためにプロアシとして生きることを選択する。町蔵に漫画の描き方を教える。後に、同期の受賞者である岸辺シロノと結婚する。
- 町田都 (まちだ みやこ)
- 少年ファイトで連載を持つ漫画家の一人。町蔵は猪熊の紹介で彼女の元でアシスタントを務めることになる。
- 日本橋ヨヲコの他作「プラスチック解体高校」の登場人物の一人。
- 池波修高 (いけなみ しゅうこう)
- かつて少年ファイトで連載を持っていた素性の知られていない漫画家。一時期坂井大蔵をも越える人気を誇り、2人が同時に活躍していた時期は少年ファイトの黄金時代であったが、人気絶頂期に突如失踪する。町田都が唯一の友人と言っていた。
- 作品終盤で正体が明らかになる。
- 市原悦夫 (いちはら えつお)
- 町蔵と鉄男のクラスメイト。高校在籍時の学園祭で久美子を主役とした大阪弁の「ロミオとジュリエット」の脚本を書く。そのことをきっかけとして後に脚本家となり、久美子とともに劇団「松屋文庫」を立ち上げる。
- 大地康子 (だいち やすこ)
- 町蔵と鉄男のクラスメイト。単行本のおまけ漫画の中では、町蔵に気があるようだ。
- 菅井金治 (すがい きんじ)
- 町蔵と鉄男のクラスメイト。
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