LCAC-1級エア・クッション型揚陸艇
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LCAC-1級エア・クッション型揚陸艇(エルキャク-1きゅうエア・クッションがたようりくてい、エルキャック-1きゅうエア・クッションがたようりくてい)は、アメリカ海軍や海上自衛隊で使用されている上陸用舟艇。ホバークラフトであり、水上のみならず、陸上でも行動可能である。LCACと通称されている。海上自衛隊ではエアクッション艇1号型として配備している。
[編集] 概要
揚陸艦などからの兵員・物資などを揚陸するにあたっては、通常、上陸用舟艇・揚陸艇を用いて、海岸へと輸送する。上陸用舟艇・揚陸艇は港湾でない海岸を物資を揚陸できるように低喫水などの工夫がなされているが、船舶である限りは、上陸に適した海岸が限られていた。
上陸用舟艇にホバークラフトを用いることが検討され、1970年代から本格的な開発がなされることとなり、本級が開発された。就役は1984年から行われていている。ホバークラフトであることにより、船舶より速度が高速化され、水上のみならず陸上でも行動が可能となった。このため、兵員・物資を波打ち際でなく、より内陸に輸送できる。また、船舶型の上陸用舟艇より条件の厳しい海浜においても揚陸できる場合があり、上陸適地が増えている。
艇の中央部は物資搭載スペースを兼ねた通路となっており、艇の前後にランプがある。機関は艇の左右に分かれて搭載されており、右側前部に操縦席がある。艇の後部には4翅の推進用シュラウド付大型プロペラが装備されている。積載能力は約70tであり、M1エイブラムス、90式戦車等といった主力戦車も一両輸送出来る。
アメリカ海軍では91隻を取得している。海上自衛隊は6隻を取得し、当初は各艦に配属していたが、2004年からは新編の第1輸送隊第1エアクッション艇隊に配属が変更されている。なお、艇番号としてLCAC-2101から-2106が付けられている。
[編集] 要目
- 排水量:約180t
- 全長:26.8m(エア・クッション展開時)
- 全幅:14.3m(エア・クッション展開時)
- 機関:ガスタービン4基(出力 16,000馬力)
- 最高速力:40ノット
- 乗員:5名
- 積載能力:約70t