Maxima
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Maxima(まくしま)は、Lispで記述されGNU GPLライセンスの下に配布されているフリーな数式処理システムである。現在も活発に開発が続けられており、商用の Maple や Mathematica などと比べても劣らない機能や性能を持っている。
[編集] 略史
Maximaはマサチューセッツ工科大学の MACプロジェクトによって開発され米国エネルギー省によって配布されていた Macsyma の1982年のバージョンに基づいている。1982年からビル・シェルターは独自のMacsymaのバージョンを管理・維持していたが、彼は1998年にエネルギー省から GPLライセンスを適用することを条件に公開の許可を得た。こうして公開されたプログラムはMaximaとよばれることになり、2001年のシェルターの死後も開発者や利用者のグループによって独自に開発が続けられている。
[編集] 実装
Maximaは当初、GNU Common Lisp に移植されたが、その後 CLISP やCMU Common Lisp (CMUCL) でも動いている。V5.9 以降は、CLISP や CMUCL が標準になっている。
Maxima用のグラフィカルユーザーインターフェースには、TEXとEmacsの発想を受け継いだGNU TEXMACS、wxWidgetsに基づいたwxMaximaやEmacs用のパッケージimaximaなどがある。
Maximaは文法的にはALGOLに、意味的にはLispに類似のプログラム言語を備えており、プログラミングや計算機代数の教育用としても使えるようになっている。
他の数式処理システムと同様にMaximaも高度な記号処理機能を備えており、有理数や多倍長整数や多倍長浮動小数点の演算を可能にしている。浮動小数点数や配列の処理をより効率の良いFORTRANなどで処理するためのプログラム書き出しもサポートされている。
[編集] 外部リンク
- 公式ホームページ (英文)
- 日本語に翻訳中のマニュアル
日本語の解説
- 数式処理システム Maxima - 入門的な解説。
- Maximaで遊ぼう - マニュアルの日本語翻訳者による解説。
- Maxima 入門ノート(PDF)