Microsoft FrontPage
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Microsoft FrontPage(マイクロソフト フロントページ)は、マイクロソフトがWindows向けに販売しているウェブサイト制作ソフトウェア(Webオーサリングツールである。将来的にはMicrosoft Expression WebまたはMicrosoft SharePoint Designerと言う名称で発売される予定。
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[編集] 概要
Microsoft FrontPage 自体はマイクロソフト自身が制作したものではなく、Vermeer Technologies社が開発し販売していた「Vermeer FrontPage」(及び製品の開発元であるVermeer Technologies社)を買収した製品である。その後「Microsoft FrontPage」と改称し、様々なWeb技術の要素を追加して今日に至っている。初期のバージョンはマイクロソフト社が販売していたWindows NTのサーバー版にオプションとして添付されていた。
日本市場でのウェブサイト制作ソフトはプロフェッショナル向けではマクロメディア社の「Dreamweaver」、アドビシステムズ「GoLive」アマチュア・初心者向けでは日本アイ・ビー・エム社の「ホームページ・ビルダー」が既にシェアを獲得しているためにFrontPageの利用者はさほど高くないとされている。しかし、操作性はMicrosoft Officeの全体的な操作性(特にMicrosoft WordやMicrosoft Excel)と共通している上、Microsoft Office の各種製品と連携した機能が利用できるため、主にイントラネットやさほどデザインに凝らない企業のウェブサイト制作に位置づけているが、一般ユーザーの愛好者も多い。
[編集] 機能に関して
「エディタ」機能のみで見れば初期のMicrosoft FrontPageは「あくまでも手軽にウェブサイトを制作する」だけの機能しか利用できなかったが、その時代の状況に応じて段階的にCSSやXMLへの対応が強化されていった。この他で見れば、ハイパーリンクの監視機能(Microsoft FrontPage Expressを除く。これはHTMLファイルの名称を変更したりすると自動的に該当するリンク先のアドレスを変更できる仕組み)やリンクの状況をグラフィカルで表示したりする機能、HTML及び構築したWebサイトのレポート作成機能などが備えられている。
しかしながら本来がMicrosoft Officeファミリーの製品であることが理由からか前述の通りプロユースで使用される機会は少なく、小中規模の企業が使用する、あるいはOfficeのオマケ、一部の愛好者が使う形で利用される例が多かった。
[編集] Microsoft FrontPage 2000
Microsoft Officeのパッケージ版では最上位に当たる「プレミアム」または「デベロッパー」及び単体で発売されていた。FrontPage 98(Expressも含む)に比べ、スタイルシート対応やASP、Java、WYSIWYG環境への対応などが図られた。なお、現行のWindows XP環境で動作すると一部不具合が生じる可能性がある。また、このバージョンで管理画面とエディタ画面がそれぞれ統合された為、後述のFrontPage Express(エディタのみの配布)は廃止された。
[編集] Microsoft FrontPage 2002
Microsoft Officeのパッケージ版では最上位にあたる「デベロッパー」(プレミアムはOffice 2000で廃止された為、XPには存在しない)及び期間限定パッケージそして単体パッケージで入手ができる。FrontPage 2000に比べてフォルダ一覧での管理方法の変更やFTP機能の追加、スタイルシート等の対応強化が施された。なお、FrontPage 2002ではPNG形式の画像ファイルを取り扱えないこと等、制約も何点かある。Officeファミリーの一環ではあるが家庭内での使用など、ホームユースでの利用も推奨するデザイン及び販促がなされた。
[編集] Microsoft FrontPage 2003
Microsoft Officeのパッケージ版には収録に該当するパッケージが一切無いため、別途単体パッケージを購入する必要がある。FrontPage 2003では家庭内での利用よりもビジネスでの利用を推薦するような体制を取ったことや、マイクロソフトが他のOfficeファミリー製品よりも積極的に販売促進活動を行わなかったこともあり、あまり目立たないものとなった。しかしながら、その一方で大幅ば機能強化及び新機能が追加されているのも特徴である。具体的に見れば、
- ソースコードのうち不必要とされるタグの自動削除及び訂正機能
- XMLデータの本格的な取り扱いが可能になった
- Windows SharePoint Serviceと連携して効率よいWeb開発を可能にしたこと
- ダイナミックWebテンプレート
- アクセシビリティに関する確認機能の搭載
- ビベイビア、レイヤー機能による自由配置の強化
等が挙げられる。これらの機能は発売される以前からIBMホームページ・ビルダーやAdobe Dreamweaver等で既に搭載されていたが、FrontPageもそれに追従される形でようやくプロユースでも持ちこたえられるまでに機能強化が施された。
[編集] FrontPage Express
Windows 98に搭載されている「FrontPage Express」は FrontPage 98の機能の中でサイト管理プログラムを取り除いた簡易バージョンのFrontPageである。バージョンこそ古いものの、標準で簡単なウェブサイト制作ができる事や無料で利用できる事などから一部の利用者からは絶賛されている。ただし、ソースコードに独特な記述をしたり、また別のウェブサイト制作ソフトで作成されたファイルなどを編集しようとすると、勝手に妙な改変を加えてしまうなどの変な特性がある為、凝ったWebページを作成するのにはあまり向いていない。
なお、FrontPage 2000からはウェブサイト制作とサイト管理の両プログラムが一元的になったため、FrontPage Expressの配布は無くなった。
[編集] Microsoft Expression Web/Microsoft SharePoint Designer
次バージョンのうち、発売が予定されているMicrosoft Office 2007の各種エディションにはMicrosoft SharePoint Designerが搭載され、Webクリエーター向けにはMicrosoft Expression Webと改題されて販売されている。
[編集] 外部リンク
- FrontPage 2003 製品情報
- ワニchanのうぇぶわーるど(個人のウェブサイト。FrontPage 2000以降の操作方法を紹介している)