S1990
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S1990は、パーソナルコンピュータMSX turboR用に開発されたシステムコントロールLSIである。 従来のMSXと互換性を保つために搭載されているZ80相当のCPUと、MSX turboRで新たに搭載されたR800 CPUとを排他的使用するためのバス調停などを行う。
[編集] 機能
- システム制御
- R800 CPU/Z80 CPU制御、バス制御、データバッファ制御
- MSXスロットマップ制御、メモリーマップ制御、I/Oアドレスデコード
- Z80バスタイミングシミュレート
- メモリアクセス、I/Oアクセス、RFSH# / M1#信号シミュレート
- 周辺デバイスインターフェイス
- LSIパッケージ:160ピンQFP
- デバッグ機能
- アドレスコンパレータ:R800のアドレスバスを監視し、指定のアドレスがアクセスされたらNMIを発生させる。S1990のリセット時にアドレスバスA8がLowである場合に有効。
- NMIステータスレジスタ:アドレスコンパレータが有効な場合において、本レジスタはシステムLSIが発生させたNMIの要因を保存している。
- デバッグモニター用スロットレジスタ:アドレスコンパレータが有効な場合において、デバッグモニターが動作中にデバッグモニターが動作するスロット環境を有効にする制御レジスタ。
- NMIリターンアドレスレジスタ:デバッグモニターに移行する直前の最後に書き込まれた2バイトの値(ユーザープログラムへのリターンアドレス)を保持する。このレジスタはリード/ライト可能であり、場合によってはリターンアドレスを任意に書き換えて異なるアドレスへ戻すことも可能。
- ブレーク:アドレスコンパレータが有能な状態かつポーズキーイネーブルビットがディセーブルとなっている状態において、ユーザープログラムを実行中に任意にポーズキーを押すことによりブレークし、デバッグモニターに処理を移すことができる。