えの素
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[編集] 概要
講談社の漫画雑誌「週刊モーニング」に1997年から2003年まで連載されていた。2000年夏から3ヶ月休載の予定だったが休載期間が延期され2002年4月に復活、2003年に完結した。単行本は全9巻、長期休載の理由は作者の体調不良によるものだったと最終巻の巻末で作者が告白している。
物語の展開は一連性の本編の他、1話完結型、2~3話完結型、台詞なしの1話完結型に分類される。台詞なし1話完結型は往年のチャップリンに代表されるサイレント映画の様相を呈しているがテーマはやはりエログロが主体で愛がテーマの場合もある。
エログロ、女性蔑視、性行為、性器露出、殺人、暴力、流血等の教育上問題のある描画が多いので注意が必要である。
破天荒なギャグは、同業者の中にも多くのファンを生み、連載終了後3年を経て榎本本人以外が本作を素材に描いた作品をまとめた「えの素トリビュート」が2006年10月に出版された。榎本の妻・耕野裕子をはじめ、吉田戦車・鶴田謙二・あさりよしとお・寺田克也・萩尾望都など、錚々たる面々が執筆している。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
[編集] 登場人物
- 前田郷介
- 本編の主人公、42歳で TSURA 社課長だったが、清掃課に異動して後に課長に昇任した。
- 妻の雅美とは3年前に離婚してみちろうと二人で暮らしていた。兄弟に姉・道江(マイケル生命外交員)がいる。最終巻で二比のインポテンツを治す為に田村と共に二比の体内に入るが、田村の裏切りによって二比の精子と共に射精されてしまう。郷介はタミの卵子に受精してしまい10ヵ月後に二比とタミの息子として出産される。
- 前田みちろう
- 郷介の息子で登場時は9歳。
- ばあちゃんが大好きで、ばあちゃんにチョップされることも多い。また悪戯好きで学校や登下校中、家と悪戯をする場所は多岐に渡る。最終巻で郷介亡き後ばあちゃんと暮らしていたが、二比とタミの息子として出産された郷介を扱えるのはみちろうしかいないと乞われて二比家の養子になる。
- 田村政和
- 郷介の同僚で TSURA 社清掃課社員。
- 妻・香織、長女・亮子と暮らしている。エログロの体現者で郷介と共に様々な事件を巻き起こす。感動した言葉をテレコに録音して悦に浸る趣味がある。実は恐妻家で香織には頭が上がらなく、そのことは周囲に漏らしたくない様子である。79話で解雇されたが復職した。最終巻で葛原を巡り対立していた郷介の抹殺を目論んだ。健康診断では性病のデパートと診断されていた。
- 葛原緑[要出典]
- TSURA 社清掃課社員。
- 冷静沈着で仕事もかなり出来るOLだが無口・傲慢・巨乳のサドで、キレると女王様に変身し言葉遣いも変わる。鞭使いは相当な物で様々な場面で活躍している。郷介と田村の憧れの的で彼女を巡る対決が描かれている。左目下のほくろが特徴である。
- 二比ススム
- TSURA 社清掃課社員。
- 当初、期待の新人として清掃課に配属され恋人(洋子)がいた。思ったことをすぐ口にするタイプだったが、郷介と田村に毒され行動が似ていく。41話から後に結婚するタミと付き合い老人愛に目覚めるが、幼少期のトラウマの裏返しだった。100話以降はインポテンツの為に長期休暇を取っていた。最終巻ではタミと結婚し長男(郷介)が生まれ、みちろうを養子として迎える。
- 菖蒲沢ひろみ
- TSURA 社総務課社員で23歳(後に清掃課へ異動)。
- 43話で初登場、郷介が好きで様々な方法で伝えようとするが郷介の「男は追われるより追うもの」という信念で拒絶された。85話で郷介の傍に居たい一心で森社長のペニスを切り落とし脅迫、清掃課へ異動することに成功した。弓矢の他、各種武器を操りペットの鳥をガスバーナーで焼き鳥にして食べている。実は処女だが隠しており男性経験が豊富であるかの如く振舞っていた。放尿と飲尿を繰り返す性癖がある。
- じいちゃん
- 郷介の父。
- 高齢だが性豪で、叩くと高音のドを発する東洋の神秘と言われるペニスの持ち主である。常にプルプルと震えて動作が遅いが、女性を目にするとかなり素早い動作が出来る。破天荒な行動が多いがばあちゃんには敵わない。菖蒲沢のアナル処女、ジュリエッタの処女を奪う。
- ばあちゃん
- 郷介の母。
- 孫のみちろうに好かれている。手刀を駆使してあらゆる物を打ち砕く。じいちゃんの浮気に厳しく数々の罰を与えているが効果がない。高齢とは思えないほど行動的で、大声を発して周囲を圧倒することもある。趣味は日本舞踊である。
- 打戻タミ
- 二比の婚約者で TSURA 社清掃課社員。
- 旦那とは死別、垂れた乳房を自由に操りロープや鞭の代用から第二の腕として使うことまで出来る。ロールで男女問わずオーガズムに導くことが出来、その性技を買われて TSURA 社に入社することになった。最終巻で遂に二比と結婚し、初夜でインポテンツから回復した二比と交わり妊娠する。実はジョージの従姉弟であり、秀男という息子がいる。最終話(結婚から約10年後)で二比と性交していることを嗅子に見抜かれている。
- 森さとる(さとみ)
- TSURA 社6代目社長。
- ワンマン社長で人事も傲慢でセーラー服好き。よく葉巻を燻らせている。85話で菖蒲沢にペニス(ペニー)を切り取られてしまい、88話でチンコ欠乏症と診断される。99話でペニーは自爆し、さとるはさとみとして生きることを選ぶ。一貫して社長秘書を性奴隷として扱い凌辱を極めた。
- ドン・ズリネッタ
- ジュリエッタ・デ=ズリネッタ
- アメリカのマフィア親子。
- ドンは双子の弟で要領よくマフィアのボスになったが姉の嫉妬を買い絞殺されそうになり、その後、姉の体内に取り込まれる。最後は正体がバレて田村を取り込むがトラックに轢かれる。ジュリエッタは全身にピアスを装着して太っていることを隠蔽していたが、田村に見抜かれじいちゃんに処女を奪われる。全身の贅肉をつかってアメリカンロールを繰り出す。
- 森本尊博
- 田村の娘・亮子の恋人で「森本センパイ」と慕われる中学生。絵に描いたような真面目な風貌の男子だが、想像力たくましく少しでもネタになりそうなものに出会うとオナニーを我慢することができず、ところかまわず始めてしまい、亮子から悲鳴を上げられる(一度だけ我慢できたことがある)。
- ハミチンズ
- 人気の若手芸人コンビ。上半身は裸、下半身はブリーフのパンツから陰嚢を半分はみ出している(はみ出ていないと見る人を失望させる)。決めぜりふは「イクヨ イカナイヨ」。お下劣なダジャレなどをネタにする。みちろうが大ファンだったが、楽屋で練習中の彼らのつまらなさに失望し、思わず股間を蹴り上げた。
その他に肝島課長(TSURA社清掃課長)、大真面目(TSURA社社員で郷介の後輩)、ジョージ(二比の恋人)、フランシス(ジョージの婚約者)、マイケル(ジョージの父)、マーラー家(ビック(TSURA・オブ・アメリカ社長)、オードリー、パティ)、ナンシー・コーマン、ケビン、ジョシュア、ダニー(いずれもTSURA・オブ・アメリカ社員)、多くの無名の変態達が登場している。
[編集] ○○屋
本作では独特の世界観で数々の職業が登場している。「○○屋ー! 」と叫ぶと出張してきてサービスを提供してくれる形態がある。料金は大半が格安(1円以下の場合もある。)で「安しー! (やしー! )」と喜ばれている。
[編集] 叫ぶと出張してくる形態
- かつら屋(10話、120円)
- 伐採屋(38話)
- メイク屋(39話)
- フニャチン屋(44話)
- 現像屋(48話)
- ソムリエ屋(49話)
- ネズミ屋(56話、5万~160万円)
- 反対屋(64話、200万円)
- 過去屋(69話)
- 賞賛屋(83話、20円)
- 模倣屋(83話、20円)
- 伝染屋(5巻快便スペシャル)
- ジェントル屋(110話)
- クスリ屋(127話)
- ワープ屋(150話、7円/m)
- 杉屋(157話)
- トリ屋(170話、1セント/個)
- 勃たせ屋(191話)
[編集] その他の形態
- トランポリン屋(21話)
- 辞書屋(21話)
- 性転換屋(25話、26話で出張性転換も行っている)
- ピアス屋(30話)
- まつたけ屋(38話、1000~200万円)
- 電報屋(41話)
- テレパシー屋(41話、60円)
- 代弁屋(79話)
- 出張マッサージ(84話)
- 出張性感マッサージ(84話)
- 報道屋(94話、他にアナルアナリスト、国際フェラチエストも出演)
- 何でも屋(6巻、明るい職場計画、各10円)
- ロケット屋(132話)
- 動物屋(156話)
- ゆで卵屋(156話)
[編集] 独特な表現方法
- ロッパー
- 嘔吐する際の擬音。
- ボッパー
- 脱糞する際の擬音。
- 人文字
- 台詞を英単語やローマ字で体現する。ナンシー・コーマンは平仮名で人文字を使った。
- バッ! バッ!
- 両掌を前方に向け肘を曲げ準備し、そのまま肘を伸ばす。これを高速で繰り返すことで喜びを表現する。主に郷介とみちろうが使用した。
- 信号通信
- モールス信号、狼煙、手旗等の視覚信号で台詞を発する。実際の信号とは異なっている。
その他に様々なマシーンが登場し登場人物たちの欲望を満たす援助となっている。
[編集] その他
- 単行本偶数巻の巻末にはおまけ漫画が2頁程度掲載されている。
- 単行本7巻の巻末には付録でイラスト集が掲載されている。
- 単行本9巻の巻末にはイラストで綴るえの素が掲載されている。
- 週刊モーニングの表紙を飾ったのは6年半の連載で僅か2回のみ。
- えの素グッズでテレホンカードが3回作成されたことがある。
- CGアニメを製作する企画があったがいつの間にか闇に葬られていた。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
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