たがみよしひさ
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たがみよしひさ(本名:田上喜久、1958年12月9日 - )は、漫画家。長野県小諸市出身。
1979年、ビッグコミック(小学館)に掲載された『ざしきわらし』でデビュー。
代表作に『軽井沢シンドローム』など。八頭身のシリアスな絵柄と二~三頭身のギャグ調を混在させる作風が特徴(中にはシリアスのみ、ギャグのみの作品もあり)。ふきだし以外の部分や枠線外の書き込みが多いのも特徴。作品はエッチな青春もの、シリアスなSF、本格推理、サイキック、伝奇物等様々なジャンルを描き分ける。
また、作品の枠を超えて、他作品のキャラクター同士がクロスオーバーすることが多い作風も特徴。『NERVOUS BREAKDOWN』には、たがみ作品で現代劇での代表作と言える主要作品はほとんど登場した。
同じく漫画家の小山田いくは実兄。 小山田いくの初期作品に時折「おこちゃん」のペンネームで背景(車や列車など)を書いていた。
[編集] 作品リスト
- 精霊紀行―ルポルタージュ・アルフ―(1979年-1983年、ビッグコミック・ビッグコミック増刊・別冊ビッグコミック、小学館、単行本:1984年-1985年、BIG CUSTOM SERIES、小学館)-初期短編作品集
- 軽井沢シンドローム(ビッグコミックスピリッツ、小学館、単行本:1982-1985年、ビッグコミックス、小学館)-軽井沢での恋愛模様を独自のタッチで描く。
- たがみの代表作。同人誌的な書き込みの多さや、ガンダム等アニメネタの多さも特徴。青年漫画雑誌の連載作品らしくやや過激な性描写で、若い男性の支持を集めた。
- 『傷追い人』、『めぞん一刻』、『なぜか笑介』、『あすなろ白書』、『YAWARA!』、『美味しんぼ』といった当時の人気作品を抑えて、ビッグコミックスピリッツ誌の人気投票第一位を瞬間的に奪ったこともある。
- この作品後、文字と異なるルビをふるのが流行した。例)耕平-だんな、男-やろう。暴走-はしる。
- ファンの間では『軽シン』と省略される事があり、さらにこの作品を『旧軽』、後述の『軽井沢シンドロームSPROUT』を『新軽』と略することもある。
- OVA化されているが、物語部分をアニメで、イメージ映像部分を実写で見せる『ノーマル・ヴァージョン』と、全編アニメのみで描写した『アニメ・ヴァージョン』の二種類が制作された。ちなみにイメージ映像部分の女優は、薫-中村れい子、絵里-北原ちあき、みるく-水島裕子、紀子-小野みゆき、縁-大滝裕子、久美子-望月あゆみ。
- テレビドラマでも放送予定があり、軽井沢町でロケが実施されたが、ロケ中にスタッフの死亡事故が発生して、制作は中止された。ちなみに主役は堤大二郎、相棒は林家こぶ平(現・九代目林家正蔵)が演じていた。
- 依頼人(スポンサー)から一言(1982年、月刊マンガDuO、朝日ソノラマ)-学園オカルトミステリー
- 我が名は狼(うるふ)(1982年-1983年、ヤングチャンピオン・プレイコミック、秋田書店) -架空の避暑地でペンションを経営する一家に遠縁の親戚である若い男が転がり込んだが…。
- 同時期に連載されていた『軽シン』と双璧をなす、たがみの代表作の一つ。こちらは連載後期に成年漫画雑誌に掲載誌が変更されたので、さらに開放的な若者の性行動が描写された。
- ファンの間で『狼』と省略される事がある。
- 道はコンチェルト(1982年、週刊少年チャンピオン、秋田書店、単行本:1983年、YCコミックス―『我が名は狼』第1巻―に収録、秋田書店)
- 実の兄・小山田いくとの合作。中学生がSFマンガを描く学園もので、たがみはSFマンガ部分を担当した。
- アフリカの太陽(1983年-1984年、リュウ、徳間書店、単行本:1991年、少年キャプテンコミックス スペシャル、徳間書店)
- 『戦士―フェダーイン―』の姉妹編的な扱いの作品だが、こちらはオカルト風味が強い。この作品は、シリアスな8頭身キャラに混じって、2、3頭身のギャグ調キャラでアフリカ出身のシャーマンが描かれている。同一人物を8頭身と2、3頭身の2種類で描く事もしておらず、たがみの作品の中では、キャラの描き分けが最もハッキリしている。後編が描かれたのがかなり後なので絵柄がずいぶん違う。
- ヒーロー(1983年-1984年、各種雑誌掲載作品、単行本:1985年、みき書房)-SF
- それさえもおそらくは平穏な日々(1984年-1986年、少年キャプテンコミックス、徳間書店) -作者の日常を描いた短編集。たがみ夫人もモデルとして登場する。
- 妄想超人マイナマン -ヒーローもの。『それさえもおそらくは平穏な日々』に収録の短編。
- それ故におそらくは平穏なゴジラ(1984年、ビッグコミックスピリッツ、小学館) -映画『ゴジラ (1984)』へのオマージュを描いたエッセイ漫画。
- GREY(1985年-1987年、月刊少年キャプテン、徳間書店)-近未来コンバット作品
- OVA作品として徳間書店からアニメ化されている。一部劇場で映画公開もされた。ただし漫画とアニメのストーリーは、ヒロインが変更されるなど大幅に違っている。
- 化石(いし)の記憶(1986-1987年、秋田書店)-タイムスリップ作品。練りに練られたストーリー展開と、アブラの乗り切った絵柄で、8頭身作品としては最高の出来とも言われる。初版はB4サイズの大判コミックで長らく絶版だったが、秋田書店より待望の文庫化。
- FRONTIER LINE(1987-1988年、月刊コミックNORA、学習研究社、単行本:1988年、ノーラコミックス、学習研究社)-シリアスなモビルスーツコンバット連作。松本零士の戦記ものへのオマージュが感じられるSFロボットもの。
- 滅日(ほろび)(1987年-1990年、少年キャプテンコミックス、徳間書店)-シリアスな伝奇、オカルト、サイキックもの。
- 遅い展開、地味なストーリーでどうなることかと思われたが最終巻の急展開は読者の度肝を抜いた。
- NERVOUS BREAKDOWN(1988年-1995年、月刊コミックNORA、単行本:1989年-、ノーラコミックス)-ミステリー
- 話の中に『軽シン』や『狼』、『依頼人』等の登場人物が出演する。
- 通常は2、3頭身で描かれているが、番外編として、全部8頭身でキャラを描ききった話も存在する。
- 『依頼人』については、絶版になっていたことから、この作品の単行本に再掲載されている。
- コミックス全13巻と、現在の所たがみの最長連載作品。
- ファンの間では『なあばす』と省略される。
- PEPPER(1991年、秋田書店)-西部劇。スクリーントーンを極力使わず、ほぼ全ての陰影は掛け網によって処理される意欲作。
- なくしたピース(1991年、ノーラコミックスデラックス、学習研究社)-ミステリー短編集
- HARD(1995年、ノーラコミックスデラックス)-ハードホイルドもの
- 私立北鳳高校K.I.E(1995年、ノーラコミックスデラックス)-ゲームコミックを目指した(良い意味での)失敗作品。連載時はビッグコミックスピリッツ掲載。
- お江戸忍法帖(1995年-1997年、コミックトム、潮出版社、単行本:1998年-、希望コミックス、潮出版社)-ギャグ忍者もの
- 敵組織の名前は、テレビ特撮作品『アイアンキング』からヒントを得ている。
- 軽井沢シンドロームSPROUT(2002年-2006年、ヤングチャンピオン、秋田書店)-『軽シン』次世代物語
- メタルハンターズD(コミックトム)-SF
- 妖怪戦記(少年キャプテン)-妖怪ものだがSFのような気も…
- NIGHT ADULTCHILDREN(1998年-1999年、月刊コミックNORA)-特異な才能を持つ美術品窃盗団と警察との対決もの
- 『なあばす』の登場人物も出演する。
- こちらは作者本人が『ないちる』と省略して欲しいとあとがきで書いている。
- 侠客(ヤングアニマル、白泉社)-ヤクザ物
- W<ウォン>(プレイコミック、秋田書店)-ビリヤードもの
- だれかが見ている -ホラー短編集
- 雪の降る日は気をつけて -ホラー短編集
- ベルリンの豹(学習研究社) -第二次世界大戦中のドイツ軍戦車兵を描いたミリタリーもの。
- 日本海軍飛行隊の漫画もあわせて収録。
- 超攻速ガルビオン(キャラクターデザイン)
- たがみにとっては不本意な作品だったようで、『我が名は狼』でコマの外に苦情を書いている。
- 主人公「無宇」と「麻矢」のデザインは、『道はコンチェルト』のたがみサイド主人公に流用されている。
<<単行本未収録作品>>
- 終齢幼虫
- リリカル ナイト ライダース
- 五才の頃(いつつのころ)
- EYE
- YUMiKO (週刊少年チャンピオン連載)
- 1983年に出版された『たがみよしひさイラストポエム集 我が名は狼』に収録。