アルファベット
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アルファベット(英: alphabet)とは、ひとつひとつの文字が原則としてひとつの子音または母音の音素をあらわす表音文字の一種である。その名前は、ギリシア文字の最初の2文字である「アルファ」(ἄλφα)、「ベータ」(βη̂τα) に由来する。
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[編集] 概要
文字体系の類型としては、アルファベットはアブギダやアブジャドとともに音素文字に属する[1]。ただし欧米では、これら3つをまとめて「アルファベット」と呼ぶことがある。また日本では「アルファベット」という言葉は、世界でもっとも広く通用している代表的なアルファベットであるラテン文字のことを指すことがある。
アルファベットでは、原則として、音声言語の音素のうち子音と母音の両方をそれぞれ別の字母で表記する。対してアブジャドでは、子音だけを表記し、母音はたいてい表記しない。アブギダでは、子音の字母を書くと特定の母音が伴った音節を表し、それ以外の母音が伴った音節を表す場合などは補助的な記号を付加することで表記する。
アルファベットのほとんどは、セム諸語のための文字として中東で誕生したアブジャドから発展してきたと考えられている。いっぽう、アブギダはかつて音節文字とアルファベットの中間段階と考えられたこともあったが、今日では、アルファベットとは別個にアブジャドから発展してきたものだと考えられている (原シナイ文字から派生した文字体系も参照)。
[編集] 他の文字体系
[編集] 例
アルファベットの例を挙げる。
[編集] 注
- ^ アブギダとアブジャドという用語は、en:Peter T. Danielsが提唱したものである。Daniels, Peter T. (ed.) and Bright, William (ed.) (February 1996).The World's Writing Systems, pp.4-5, Oxford University Press. ISBN 0195079937. 参照。