アーシュラ・K・ル=グウィン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
文学 |
ポータル |
各国の文学 記事総覧 |
出版社・文芸雑誌 文学賞 |
作家 |
詩人・小説家 その他作家 |
アーシュラ・クローバー・ル=グウィン(Ursula Kroeber Le Guin、1929年10月21日 - )は、アメリカの小説家でSF作家、ファンタジー作家、フェミニスト。
父親は文化人類学者のアルフレッド・L・クローバー。母親は作家のシオドーラ・クラコー・ブラウン(夫が研究で係わったアメリカ最後の生粋のインディアン「イシ」の伝記を執筆した)。
子供時代は、父親がカリフォルニア大学バークレー校で教えていた関係でバークレーで育つ。大学は、ラドクリフ大学に進学、コロンビア大学で修士号を取得している。1953年に歴史学の教授チャールズ・A・ル=グウィンと結婚。1991年、カリフォルニア大学バークレー校の人類学科で名誉教授を称える連続講演で父について講演する。1958年以来現在に至るまでオレゴン州ポートランドに在住している。
両性具有の異星人の政治を描いた『闇の左手』でヒューゴー賞、ネビュラ賞を、1970年に同時受賞。代表作にユートピアを描いた『所有せざる人々』の他、村上春樹の訳による『空とび猫』といった絵本作品もある。
ファンタジー作家としての代表作は、『ゲド戦記』(全5巻+外伝1巻)。この作品はスタジオジブリによって、2006年夏にアニメ映画化された。
SF界の女王と呼ばれ、「西の善き魔女」とあだ名されている。少女漫画界の重鎮萩尾望都の作品に影響をみる者もいる。また、『西の善き魔女』の荻原規子においては、『西の善き魔女』の5巻のサブタイトルが「闇の左手」である。
彼女の影響を受けた、もしくはファンである日本人作家は多く、宮崎駿は『出発点』の中で、枕元に『ゲド戦記』を置いてすぐに読めるようにしている、と語っている(宮崎駿はかつて『ゲド戦記』の映像化を考えていたことがある、と認めている)。
スタジオジブリ(宮崎吾朗監督・脚本)のアニメ映画『ゲド戦記』の公開後、日本などから問い合わせのメールが多く寄せられたため、この映画が制作されるに至った経緯と映画に対するコメントを彼女自身の公式ホームページ[1]で公開した。(日本語訳[2])
2007年3月現在、最新作『西のはての年代記』シリーズの第三巻Powersを執筆中である。第一巻の『ギフト』が翻訳出版されている。
[編集] 作品リスト
- 辺境の惑星
- ロカノンの世界
- 闇の左手(The Left Hand of Darkness)
- 幻影の都市(City of Illusions)
- 所有せざる人々
- 風の十二方位(初期作品を主に収録した短編集)
- 天のろくろ
- 世界の合言葉は森(The Worlds for World is Forest)
- マラフレナ(Malafrena)
- オルシニア国物語
- ゲド戦記
- 西のはての年代記(The Chronicles of the Western Shore) Gifts, Voices,Powers
[編集] 外部リンク
- ル=グウィン自身による公式ホームページ (英語)