オルゴン
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オルゴン(Orgone) は、心理学者ヴィルヘルム・ライヒが発見したとする自然界に遍在・充満するエネルギーのこと。 オルガスムス(性的絶頂)からオルゴンと名づけられた。性エネルギー、生命エネルギーであるとされ、病気治療に有効であると考えられた。日本では東洋のいわゆる気のエネルギーと同じモノと考える者もいる。
[編集] 発見
1939年、ナチス・ドイツのドイツ国からノルウェーに亡命中、オスロ大学で、自らが発見したという滅菌した肉汁中の小胞バイオンを培養基に入れ顕微鏡で観察していた際バイオンとは異なる激しく動く青い光を放射するものを発見した。その放射は目や皮膚を痛めると感じたライヒは培養基を内が金属、外は木の板の箱に入れた。開けてみると培養基ごと光っており、また取り出しても箱の中に光る粒子が見えたという。これをオルゴンと、箱をアキュムレーターと名づけた。オルゴンを効率的に集積・放射することのできる装置(オルゴン集積器)(オルゴン蓄積器、オルゴン・アキュムレーター)を設計製作した。これはしばしばマスコミなどで嘲笑され、「オルゴン・ボックス」「セックス・ボックス」などと呼ばれたこともあった。
後アメリカ合衆国に行き1940年ニューヨークからメイン州レーンジュエリーに転居、支援者によりオルゴン研究所「オルゴノン」でロバート・マッカローらとともに以後オルゴンの研究に取り組む。1941年、アルベルト・アインシュタインにオルゴノスコープ(オルゴン拡大鏡)でオルゴンを見せた。
1951年、ライヒは、ラジウムの放射能を中和できるものと期待して実験したところ失敗し実験動物は死に研究員は吐き気や頭痛で研究所を退去した。このとき発生したものをOrgone Anti-Nuclear Radiation(反放射性オルゴン)略称Oranur(オラナー、オラヌール)と名づけた。しばらくは気分が悪くなるため研究所に人が入れず、ライヒは水酸化ナトリウムである程度状況改善できいろいろ試した結果、塩化ナトリウムにより改善されたという。
また1カ月黒い雲が研究所の上空にあり続けたことで、ライヒは、オラナーがDeadly Orgone(デドッリーオルゴン、死のオルゴン)略称、DOR )になったとしてオルゴンを集中的に放射する投射機(構造は下部を曲げて流水にアースさせてある中空のチューブを並べたもの)を作成し上空の黒雲を消したという。これをクラウドバスターと呼んだ。 これを雲に向けて引き金を引くと、放射されたオルゴンによって上空の雲を消去することができるとされ、数度の実験にも成功したという。 1954年、UFOを目撃DORを利用した侵略者の宇宙人の宇宙船と直感しクラウド・バスターで撃墜の必要を訴える。
[編集] 治療
ライヒはこのオルゴンを治療において応用し、「生物学的オルゴン療法」と「物理学的オルゴン療法」に分けた。前者についてはライヒがオルゴン発見以前から精神分析の応用として行ってきた「性格分析的植物神経療法」と同一で、実証性はともかく、現代医学ないし科学と矛盾するような技術や理論は含まれていない。後者はオルゴン集積器などを用いた実験的な治療で、ライヒ本人はあくまで通常の治療には生物学的オルゴン療法を主体にすべきだと考えていた。
ライヒは1954年にFDAにオルゴン・アキュムレーターの販売が、がん治療機を不法製造販売にあたると訴訟をされ、その時の裁判所の命令に従わなかったため、1957年投獄、同年11月3日コネチカット刑務所で心臓発作で死亡した。