カシオペア (コンピュータ)
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カシオペア (Cassiopeia) は、カシオ計算機の携帯情報端末、パーソナルコンピュータのシリーズ名である。
初代カシオペア(Aシリーズ)はWindows CEを搭載したハンドヘルドPCであった。その後、Windows 98/Windows Me/Windows 2000/Windows XP搭載のノートパソコンカシオペアFIVA(MPCシリーズ)が発売された。
[編集] カシオペア(PDA)
HandheldPC(H/PC)のAシリーズとPalm-sizePC(PsPC)/PocketPCのEシリーズがある。
Aシリーズはモノクローム液晶ディスプレイを使用していることもあって、単3アルカリ乾電池または充電式のニッケル水素電池で使用可能なモデルである。WindowsCE 1.0はWindowsの名を持つものの、ノートPCと比べて機能が極めて限定されるうえ、実行速度も不十分であり評判は芳しくなかった。WindowsCE 2.0対応製品になると機能・速度がやや改善され、当時整備されつつあったモバイル通信環境との組み合わせで、制限は多いもののPDA/通信端末としてある程度の実用性を備えるものとなった。なお、カシオはA-50/51/51Vのバージョンアップサービスも期間限定ながら実施したため、A-51/51Vのバージョンアップ版でA-55Vなどに対応したアプリケーションソフトウェアを使うことができるようになった。NECのモバイルギアがWindows CE 2.0のリリースとともに筐体をミニサイズから従来モデル(いわゆるDOSモバ)のサイズに復し、テキスト入力を重視したのに対し、カシオペアAシリーズはあくまで初期のハンドヘルドサイズのままの製品を継続するという違いが見られた。
- Aシリーズ:個人向け(説明は概要のみ)
- A-50/A-51: Windows CE Ver1.01 H/PC 日本語版、 RAM:4MB(50)/8MB(51)、CPU:SH-3 40MHz、480x240ピクセル モノクロLCD。1997年7月発売
- A-51V: A-51のCPUをSH-3 80MHzとしたもの。1997年12月発売
- A-55V: A-51VのOSをWindows CE Ver2.0 H/PC 日本語版にしたもの。1998年4月発売
- A-60: A-55Vの液晶ディスプレイを640x240ピクセルにしたもの。1998年9月発売
- PAシリーズ:企業向け
- PA-2000: 企業向けのA-51相当品
- PA-2100: 企業向けで、PA-2000からキーボードを外してペンオペレーション専用とした
- PA-2000V: 企業向けのA-55V相当品
- PA-2300: 企業向けで、PA-2000Vからキーボードを外してペンオペレーション専用とした
Eシリーズは初期のPsPCモデルと、Pocket PCモデルとに大別される。E-55/65はAシリーズ同様にモノクロ液晶ディスプレイを採用し、単4電池で使用できたが、E-500/700などのカラーLCDモデルでは電池容量の増大を図るためリチウムイオン電池パックを採用している。PsPCモデルは、OS自体の完成度がH/PC1.0以上に低く、やはり市場の支持を得ることはできなかった。 その後Microsoft社はOSを全面的に改良したWindows CE 3.0とPocketPCプラットフォームとの組み合わせで大幅な機能改善を果たし、引き続きPocketPC 2002、2003などのバージョンアップ版を市場に投入した。しかしPocketPC市場での不振などにより、カシオはEシリーズの個人向け製品からは撤退してしまった。
- Eシリーズ:個人向け
- E-55: PsPC Windows CE Ver 2.11。RAM:16MB。CPU:VR-4111
- E-65: 同上。添付のソフトをROM化したもの。
- Cassiopeia for DoCoMo: NTTドコモ向け製品。E-55のRAMを8MBとし、携帯電話インターフェースや通信ソフトを添付した。
- E-500: PsPC カラーLCDモデル。CPU:VR-4121
- E-503: 同上。添付のソフトをROM化したもの。
- E-700: PocketPC SDカード採用。通信はシリアル経由のみ。CPU:VR-4122 150MHz
- G-FORT: 発売はNTTドコモ。仕様はE-700相当だが、筐体を強化し、SDの代わりにCF通信カードに対応。法人向けのE-800と同一。
- E-750: E-503相当の筐体を用いたPocketPC。CF通信カード対応。E-700からCPU動作クロックを強化。CPU:VR-4131 200MHz
- E-2000: PocketPC 2002。SD/CFカード両方に対応。マイクロソフトの方針変更によりARM系となる。CPU:インテルStrongARM SA-1110 206MHz
- l'agenda(ラジェンダ) BE-500: WinCE3.0。PocketPCを使用せず独自のGUIを実装。CPU:VR-4131 166MHz
- E-3000: PocketPC 2002、電池容量を強化。CPU:インテルPXA-255 400MHz
[編集] カシオペアFIVA
ノートパソコンおよびペンコンピュータがあり、また、スイッチ切り換えによるデュアルブートでLinuxを起動できるモデルもあった。
- mpc-10x/20x/21xシリーズ:個人向け ノート型PC
- mpc-101M31: OS:Windows 98 CPU:サイリックス製 Media GXm 200MHz Memory & HDD:32MB & 2.1GB '98年11月21日 発売
- mpc-101M32: mpc-101M31にモデムを内蔵し、HDDを増量したもの。 Memory & HDD:32MB & 3.2GB
- mpc-102: OS:Windows 98SE CPU:サイリックス製 Media GXm 233MHz Memory & HDD:64MB & 6GB '99年11月下旬 発売
- mpc-102S: OS:Windows 98SE CPU:サイリックス製 Media GXm 233MHz Memory & HDD:64MB & 6GB
- mpc-103: OS:Windows Me CPU:NS製 Geode GX1 300MHz Memory & HDD:64MB & 10GB
- mpc-205: OS:Linux & Windows Me CPU:Transmeta製 Cruosoe TM5600 500MHz Memory & HDD:96MB & 10GB '01年3月5日 発売
- mpc-206: OS:Linux & Windows Me CPU:Transmeta製 Cruosoe TM5600 600MHz Memory & HDD:128MB & 20GB '01年3月5日 発売
- mpc-206VL: mpc-206のHDDを増量して、基板のリビジョンを変更したもの。 Memory & HDD:128MB & 30GB '01年7月上旬 発売
- mpc-216XL: OS:Linux & Windows XP HomeEdition CPU:Transmeta製 Cruosoe TM5600 600MHz Memory & HDD:128MB & 15GB '01年11月21日 発売 唯一のWindowsXP搭載モデル。
- mpc-22xシリーズ:企業向け ノート型PC
- mpc-225BS: OS:Windows 2000 CPU:Transmeta製 Cruosoe TM5600 500MHz Memory & HDD:160MB & 20GB
- mpc-225BL: mpc-225BSのバッテリーを、大容量のものに変更したもの。
- mpc-50x/70xシリーズ:企業向け 感圧型タブレットPC
- mpc-501: OS:Windows 98 CPU:サイリックス製 Media GXm 200MHz
- mpc-701: OS:Windows 2000 CPU:Transmeta製 Cruosoe TM5800 800MHz 微透過型TFT液晶を採用
[編集] 外部リンク
- カシオコンピュータ 法人向けカシオペア(現行機種)
- カシオコンピュータ カシオペアHandheld PC(旧機種)
- カシオコンピュータ カシオペアFIVA(旧機種)
- カシオコンピュータ 法人向けカシオペアFIVA(MPC-701)
- カシオコンピュータ 法人向けカシオペアFIVA(MPC-501)